幻の『陶貨』について     2022年7月3日

一銭陶貨 裏 (未完成品)

一銭陶貨 表(未完成品)


2022年7月3日の日経の春秋欄に、日本銀行や造幣局の博物館で陶貨の展示を見たことがあるとして、太平洋戦争末期の1945年につくられたという。

様々な金属が軍需品にあてられてしまった故である。国威に係わるとして一般には流通せず、大半が粉砕されたそうだ。とある。

 

実は50年程前になろうか、京都に旅行した際にある骨董屋の店頭でこれを見つけて購入している。千円程の値がついていたと思う。年号は入っていないが、昭和20年に試作された1銭陶貨であった。店主の説明では京都で製造され、総て粉砕されたが一部残ったものであると。調べてみると、この一銭陶貨は1945年(昭和20年)に佐賀県有田町・協和新興器有限会社及び京都、瀬戸にて製造されたもので、直径15㎜、その品質は三間坂粘土60%、泉山石5%、赤目粘土⒖%、その他10%である。

その他に2種類の陶貨が試作されており、同じく1945年に10銭21.9㎜、5銭18㎜ があり、いずれも未発行で破砕されている。