和田 大諷

東京都 葛飾区金町在住

佛画・書・刻字・篆刻を制作。

個展は都内、ひたちなか、米国のロスアンゼルス、ロシアのサンクトペテルブルグで開催、20数回に及ぶ。

過去の個展は展示会の項目をご覧ください。

 

2022年鳩居堂「和田 大諷 金泥の世界」は終了いたしました。

本来2021年の個展(2021年4月)が新型コロナウィルス感染防止の為延期となり1年遅れて開催となったものです。2022年 4月 5日(火)~

      4月 10日(日)

 

   

著 書

 2014年2月

  「大諷の映画狂時代」

  2018年1月「大諷のへそ曲り

            読書日記」

  2019年7月  「大諷の観音の道」

  2020年11月  「大諷の無辺楽事」

  2021年11月「続 ・大諷の無辺楽事

         ボクシング編」

  2022年 目下制作中 8,9月頃予定

          和田大諷「金泥の世界 」

 

ボクシングは若い頃からのファンにして、頭の中に過去の試合やボクサーの名前が詰まっている。

毎週月曜日のTV観戦記の記事は公平な目での厳しい批評が面白い。世界戦代表的試合は殆ど欠かさずアップしています。

 

 

2022年初場所について       2022/1/26

1.初場所優勝者

関脇 御嶽海が13勝2敗で3度目の優勝を飾り、場所後大関に昇進した。

三役通算28場所かゝった。抜群の相撲センスを有し、既に3~4年前に大関になっても不思議はなかったのだが、生来の稽古嫌いと、それに伴ってのスタミナ不足が祟り、その上の斑気(ムラキ)が治まらず、足踏みを続けたのだ。大関に昇っても今のまゝでは常に2桁以上の成績をあげていかれる保証はどこにもない。彼は本番に強い力士だと云われる。つまり稽古場ではさほど強くないと云うことで、本当の強さは稽古場で絶対の強さを発揮する必要が求められる。この事を御嶽海には肝に銘じてもらいたい。

 

2.さて照の富士である。

大関から膝の故障で序二段まで陥落したが、驚異的精神力で復活し、ついに横綱まで昇りつめた。故障した膝は治ることはないが、常に膝を曲げ、前傾姿勢を保ち、立上るとすかさず左前褌を引き体勢を整えてから前に出る。小兵力士や押し相撲を相手にすると、引っ張り込んで両上手又は閂に極めて相手の動きを封じたあと、攻めにかゝる等安定した相撲で一強の地位を築いた。先場所まではまさに敵なしの存在であった。彼の唯一の弱点は押し相撲であり、それでも先場所までは実に巧みな取り口で、苦戦はしても取りこぼしはなかったが、今場所明星の突進を受け損なって苦杯を喫したが土俵下に足から落ちた時に古傷の膝に衝撃をうけて悪化させ、その後の取り組みに精彩を欠いた。来場所以降の相撲に不安が残る。何せ横綱白鵬なきあと相撲界を背負っている金看板であるのだから。

 

3.大関陣 

大関陣の惨状はまことに酷いものであった。特に正代の相撲は無気力そのもので覇気が全く感じられない。2場所連続で対横綱戦が組まれなかったことに、彼は大いなる屈辱感を味わったことであろう。この事を深刻に考えるべきである。大関よりも平幕の阿炎の方が勝負になると協会も観客も考えたのであるから、前代未聞の事である。正代の相撲はそもそも体格に恵まれているが腰高のまゝ体当たりで相手の上体を起し双差しを狙っての取り口であるが、爆発的な当たりがあればそれなりの相撲が取れるが、当りが弱まると、体当たりで自分の上体が反り返り、双差しを狙う取り口から相手の押っつけの格好の標的となり、押される事になる。この相撲振りと、気力の無さから今後は下降一方となる可能性が高い。

 

4.一方で新しい勢力が台頭してきた。

1⃣ その筆頭が平幕6枚目の阿炎である。阿炎は協会の制約を破って謹慎処分を受け、幕下まで陥落、その他にも「楽して勝ちたい」等、様々な物議を醸す言動も多く師匠の錣山親方(元寺尾)も半ば諦めていたようであったが、処分のあと阿炎に心境の変化がどのようにあったか、復帰後見違える相撲に変り、厚みを増した身体もあって、それまでは突っ張って相手の上体を起し叩き込みが常道であったが、叩くことはなくなり、突き切るスタイルに変って再入幕の先場所は12勝3敗、今場所は横綱照ノ富士を破って12勝3敗。

一躍優勝を狙える力士と見做される事になったのである。

 

2⃣ 同じ平幕の若隆景。彼は左からの強烈な押っつけのみで今日の地位まで昇ってきたが、今場所は右からの攻めも加わり11勝4敗の成績をあげた四つ相撲である。小柄であるがキビキビした相撲振り、誠に好感がもてる力士でる。

 

3⃣ 平幕下位の22才琴の若

祖父は猛牛と謳われた横綱琴桜、父は大兵で二枚目琴の若(関脇)である。今の琴の若は大柄で身体が柔らかな四つ相撲でスケールも大きい。今場所11勝4敗で来場所上位でどのような相撲を取るのか楽しみである。

 

4⃣ 一度優勝している大栄翔、平幕の阿武咲、同じく明生の押し相撲3羽烏であり、少しおくれて29才の北勝富士がいる。押し相撲は調子に乗ると優勝もするが、調子が良いからと言って必ずしも勝ち星につながらず大敗することもあり、安定感がないところがある。従って負けがこんでいるからと言って舐めてかかるととんでもない事になるのだ。

今場所の明生のように観客にとって彼らの相撲は常に番狂わせの期待を抱かせるものであるのだ。

 

5⃣ 平幕の豊昇龍

今場所の彼は11勝4敗。小兵であるが四つ相撲で、立ち合いの鋭さ、投げ技の切れも強さもあり、足腰も強く闘志もさかんで、もう少し身体が出来てくれば、協会の米櫃となる大いなる可能性がある。彼は横綱 朝青龍の甥である。

 

6⃣ 平幕の宇良  29才

彼は学生時代反りのスペシャリストとして名を馳せて、鳴り物入りで角界に入り。しかし相撲界は重量化が加速しており、重い者が有利の法則に従い成績もついてくるが、腰、膝、足首に負担が過剰にかゝり故障の原因となる。体重増に比例して稽古量も減少し、故障が加速する。相撲内容も、押し出し、寄り切り、叩き込み、引き落としが多くを占めまことに味気ない様相を呈するのだ。宇良はこの重量化した力士を相手として襷反り等の反り技を繰り出した事から膝を痛めて休場、幕下に陥落。引退の危機に瀕したが不屈の闘志で復活。体重を増やして反り技を封印、幕内に帰り咲いて今場所には上位に進出し、足取りを始めとして多彩な技を披露し、上位陣を脅かした。鍛え上げた技術を駆使して相撲界に切り込む、その異能振りは一際精彩を放って、得難い存在となっている。

 

7⃣ 34才の四つ相撲の宝富士は左差し一辺倒で、それ以外の取り口はない。差せれば大関級の力を発揮する。37才の押し相撲の玉鷲、優勝したこともある。押しの威力は依然として健在である。今場所二人とも前半は白星を揃えたが、後半はやゝ疲れたようだが、自分の相撲を取り切る若さも変わらず、身体も張っており勝負に対する執念も衰えておらず若手の見本となっている。

 

8⃣ 長く続いた相撲界の停滞も小兵の四つ相撲の力士が台頭してきた、又大柄な四つ相撲の力士も表われ、久方振りに未来がひらけてくる予感を窺わせる。又照ノ富士、宇良、阿炎にみられる不撓不屈の精神力と意志の力は人間の精神の力が如何に困難を乗り越えるものかを我々にまざまざと示してくれたのである。

 

9⃣ 相撲界に望むのは常人とは異なる鍛え抜かれた体格、体力と技術が、その限りを尽くして土俵上で披露することで観客を感動させることであることを各人が銘記してもらいたいものだ。