演奏会付食事会に参加 7月29日

演奏は1時間、津軽三味線の山中信人と二胡のシュウ ミンの二人である。

三味線の演奏は「忍者」「島唄」「桃花過度」「ソーラン節」「十八坂」で二胡と共演である。

ソロは「津軽ジョンガラ節」「さくら」。

 

三味線と二胡は相性が良いとは必ずしもいえず、何故演奏を共にしなければならないか、その必然性が全く理解できないものであった。

「さくら」に至っては自己のテクニックが如何に優れているかのみを誇示するのを目的としているかにみえて、曲の美しさを無視したものであった。

 

肝心の「津軽ジョンガラ節」は今から50年程以前に聴いた高橋竹山の演奏はまさに魂を揺さぶるような見事なものであったが、山中氏のものはたゞただ騒がしいものであり、元々は雪深い津軽の貧しい寒村で、或いは瞽女等の演者が門付けで各人家の前に立って演奏したものであろう。家には病人や乳飲み児もいたかも知れず、あのように騒がしい音を出してはその家はもとより近所迷惑であった。

竹山の演奏は門付けの状況が目に浮かぶような情感溢るゝものであったが、今の演奏は演奏会用に特化し、三味線の持つ地域性の強い哀感を切り捨て、無国籍なものとしてしまったのであろうか。

演者として生活していく為に、合わない洋楽器や今回の二胡のように各々の楽器を単なる道具と考える、哀しくも情けない現実を見せつけられたのであるが、地域性の強い楽器や楽曲は存続が難しくなったことなのであろう。

二胡の演奏は「二泉映月」に救われるおもいがあった。