5月8日 丸山眞男座談全9巻を読んで (続き ) この座談が行われた当時

1.個人的には1960年代初めキューバ危機をめぐり公然化した中ソ論争の中、「世界政治資料」誌に繰り広げられたベトナム戦争を中心とした中国の彭真(ホウシン)、ベトナムのレ・ズアンの論文を待ち望んで読んだものである。


2.彭真は(1902~1997) 山西省出身
23才で共産党に入党した。1945年共産党第7回大会で中央委員に選出、1951年北京市長、1956年党第一書記となり、理論面で大きな役割を演じた。文化大革命で批判を浴びて1966年6月北京市長解任すべての地位を失う。1979年文化大革命収束と共に中央に返り咲いた。


3.レ・ズアン(1908~1986)は1930年インドシナ共産党創立に参加。
1931~35、1940~45 フランス官憲に逮捕投獄される。1939年中央委員会議長。
1959年党第一書記に就任(ベトナム労働党)。1986年書記長。
ホーチミン体制下の党内有数の理論家。1960年の南ベトナム解放民族戦線の結成を指導。1969年のホー主席死去のあとは党・政府両面で主導権を掌握。1975年のサイゴン攻略に断を下したのも彼であった。
当時両者、特にレ・ズアンは社会主義諸国のなかで、とびぬけた論客で鋭い理論展開は見事であり、国防相の将軍ボー・ゲンザップと共にベトナム解放戦争を勝ち抜いた立役者であった。