スロバキア・フィルハーモニー管弦楽団 2018 東京公演

                          サントリーホールにて


1.1949チェコ・スロバキアに創立されたスロバキア最初の国立オーケストラである。
指揮はチェコ生まれのチェコを代表するレオシュ・スワロフスキー
   本日の演奏
        1)スメタナ「わが祖国」より「モルドウ」
        2)ドボルザークのチェコ協奏曲 
          演奏は日本芸術院会員でもある堤 剛
        3)ドボルザークの交響曲第9番「新世界」より
          スメタナもドボルザークもチェコ生まれの作曲家

          で19世紀後半に活躍した。

 
2.1526年ハプスブルグ家のフェルディナントがチェコ、ハンガリーの王となり後に神聖ローマ帝国の皇帝となる。以後ドイツ人の皇帝が君臨し、その支配は第一次大戦まで暗

黒時代が続くのである。
1867年オーストリア・ハンガリー協約後第一次大戦までの間圧迫強化の為、79万人が

アメリカに逃亡している。1918年大戦終了後、チェコ・スロバキアの独立宣言あり、長く続いたハプスブルグの主権は排除される事となった。

1933年ナチス台頭により独立は犯され、政府はロンドンに亡命、1945年4月ファシズ

ムからの解放されるが、今度はソヴィエトの圧力のもと1990年まで苦しむ事になるの

であう。

 

3.4スメタナもドボルザークもハプスブルグの支配のもと呻吟した時代に生きた事を除いて考ることは出来ない。
独立と自由を渇望したチェコ・スロバキアの人々にとって彼等の作る音楽は民族を団結

させる上でも大いなる力となった事であろう。

 

4.演奏会は「モルダウ」が始まるやいなや民族の希望やその思いが横溢し、聞く聴衆
を魅了した。そして「新世界」である。分かりやすく又民族色豊かな旋律はチェコの
指揮者、演奏家達によって、彼等でしか奏でられない音色で聴衆を大いに盛り上げた。