私の好きな歌手 その8. マヘリヤ・ジャクソン

9.マヘリア・ジャクソン
マヘリアを始めて知ったのは映画「ニューポート58」(真昼の世の夢)を観てから

だった。
ジャズに全く関心がなかったが映画の中でチコ・ハミルトンやアニタ・オディを聴いて

いるうちに次第に馴染んできた。トリに出てきたのがマヘリアで「こんなに拍手されると、まるでスターになった気分です」と語り、観客の笑いを誘った。
野外に作られた仮設ステージで「夕べの祈り」から唄い始めると、その圧倒的な歌声と

深い音色は観客の魂を揺さぶる素晴らしいもので、黒人独得の微妙な節まわしは、日本

民謡をも思わせたて、たちまち私もその田舎の太ったおばさん風のマヘリアの虜になっ

てしまったのである。
マヘリアは「ゴスペルは希望の歌です。人々はゴスペルを歌うことによって哀しみや苦

しみを癒すことが出来ます」と語っている。彼女はナイトクラブの舞台やTVのお笑い番組には一切出る事はなかった。