クラーナハ展 国立西洋美術館

クラーナハの活躍した時代は16世紀マルチン・ルターの宗教改革のさなかでこの宗教戦争は30年続きヨーロッパ全体が混乱に陥った時代である。フランスでもルターに影響を受けたジャン・カルヴァンはやがて武力参入に入るのである。しかし、ドイツ、フランス15世紀末から16世紀にかけてルネッサンスの大輪の花を咲かせて文芸は大いに栄える事となった。クラーナハは宗教改革に賛同しルターに協力し、多くの宗教画を描いているが内容はカトリックの立場にやゝ近いようである。クラーナハの魅力は何といっても女性の不思議な裸体画でありルクレティアの5作品のとホルフェルネスの首を持つユディットであろう。

一種独特の女性像で誠に不思議な雰囲気を携えて私達に迫ってくるのである。

望むべくはフランスのやぎとにんにくの臭いふんぷんたるド・ナヴァール公後のアンリ4世が絶世の美女マルゴ王妃を半ば幽閉して妾として寵愛したガブリエルの姿を描いているがガブリエル姉妹が半裸で描かれているがこれも又、不可思議な作品であるが美しい。

これも是非みてみたかったが残念。しかしあのクラーナハの作品がこれだけまとまってみる事が出来るのは感激と云う外ない。