2月19日 朝日新聞から 「反知性主義」への警鐘 

佐藤優氏は反知性主義について「実証性や客観性を軽んじ、自分が理解したいように世界を理解する態度」と定義し、この概念を使うきっかけを昨年の麻生太郎副総理大臣の「ナチスを肯定するのかという深刻な疑念が世界から寄せられたが、麻生氏も政権も謝罪や丁寧な説明は必要ないと考えた。非常に危険だと思った」異なる意見を持った他者を公共的対話を軽視し、独りよがりな「決断」を重視する姿勢がそこにあると氏はみた。「反知性主義」の典型です。「週刊現代」の対談では靖国や慰安婦に関する海外からの批判の深刻さを安倍政権が認識できていないとも指摘した。自分が理解したいように世界を理解する「反知性主義のプリズム」が働いているせいで「不適切な発言をした」という自覚が出来ず、聞く側の受け止め方に問題があるとしか認識できない。そう分析する。

竹内洋氏(関西大学東京センター長)は何故反知性主義が強く現れてきたのか。「大衆社会化が進みポピュリズムが広がってきた為だろう。ポピュリズムの政治とは、大衆の「感情」をあおるものだからだと警鐘を鳴らしている。