かみさん福島に行く

伊藤若冲がやってきました。
伊藤若冲がやってきました。

かみさんと次女の史子、お茶の石井先生、ホームP担当者4人で福島県立美術館に出かけた。 以下 かみさんが語る福島紀行である。

 

仙台、盛岡、を経て福島が最終展示、22日、23日連休を利用して一泊どまりで遥々福島に行ってきた。コレクションもう日本で目にすることは出来ないだろうとの一心であった。

「東日本大震災復興支援」 「若冲が来てくれました プライスコレクション 江戸絵画の美と生命」 コレクションのほかに「私たちも作品を送ります」として若冲を多く所蔵する宮内庁三の丸尚蔵館、奈良国立博物館、京都国立博物館等々から、国内賛助出品作品が展示された。この展示会はプライス氏と奥様悦子さんが未曾有の災害に見舞われた東日本の被災地の人たちの心を少しでも慰めたいという一念から始まり、そこに多くの人達の賛同と善意が結集して実現した。と図録に書かれていた。プライス夫妻に直接メッツセージを送りたい人の為に大きなスケッチブックが置いてあった。この企画に対し異句同音に絶賛と感謝を述べている。被災した人もそうでなかった人も大きな慰めと元気を貰ったことは間違いない。

 

コレクションを見るために県外からも多くの人がやってきた。我々もその一員となった。

圧巻は矢張り「鳥獣 花木図屏風」 大きな白象と鳳凰と地上のありとあらゆる鳥や動物の代表を描いた八万六千個もの気の遠くなるようなマス目に描いた、六曲一双の大きな屏風である。当時直接目にすることが出来なかった外国の動物も写実的に描かれている。鵺や鳳凰の想像上の動物や鳥も面白い。悦子夫人は災害の報に接したとき、心の拠りどころがなく、この屏風を佛画のような思いで眺めたという。この絵は[生命のパラダイス]=「花も木も動物もみんな生きている」と名付けられ展示された。

若冲のみならず長沢芦雪、曽我蕭白、円山応挙、酒井抱一、鈴木其一、柴田是真等などの作家の作品が一同に目にすることが出来、こうした師匠達の絵を弟子達が模写した作品なども面白かった。円山応挙のあの有名な「雪松図」があった。それは弟子源琦の描いたそっくりさんだった。洋の東西を問わず画家一門の弟子達の修業とは師の絵画をひたすら模写することから始まるのだ。その一端を見せてもらったような気がする。プライスコレクションは図らずもこうした絵画も多く集めていた。今こうしてみられるのも大いに参考になる。

 

翌日は飯坂温泉へ

JR福島駅から私鉄で25分で飯坂温泉へ。町全体が温泉の町でまた「ちゃんこちゃんこ」と言われる階段が整備された古きよき町並みが残されている。古くは松尾芭蕉も立ち寄ったと言われる鯖湖湯等いたるところ日帰り、温泉旅館と事欠かない。道端は花いっぱい、上手に育てて気持ちいい。最近整備されたというこの土地の豪商、豪農の「旧堀切邸」も一見に値する。堀切善兵衛(衆議院議員、イタリア大使)、次弟善次郎(関東大震災ごの東京復興に尽力)、末弟九五郎(東京市長、内務大臣)と近代政治史に名を残す。直近くには常泉寺という囲碁の家元本因坊秀伯の碑がある。(1716年~1741年)26歳の若さでなくなっている。写真でご紹介します。

飯坂温泉 駅前広場は松尾芭蕉の像がお出迎え
駅前広場は松尾芭蕉の像がお出迎え
享保時代に活躍した本因坊秀伯の碑
享保時代に活躍した本因坊秀伯の碑

飯坂温泉の豪商・豪農の旧堀切邸正門 
旧堀切邸正門 
主屋の三十六歌仙の間にて
主屋の三十六歌仙の間にて

下の蔵は舞台にもなる
下の蔵は舞台にもなる
近代国家に尽くした堀切家の人々
近代国家に尽くした堀切家の人々

シュウメイ菊
シュウメイ菊
ちゃんこちゃんこと呼ばれる階段
ちゃんこちゃんこと呼ばれる階段

福島県立図書館 東日本大震災福島県復興ライブラリー

美術館に隣接する県立図書館で今日本人に必要な、素晴らしいライブラリーがあるのを知りました。 お知らせのページをご覧下さい。