和田 大諷

東京葛飾区金町在住

佛画・書・刻字・篆刻を制作

20数回の個展を都内、ひたちなか、ロスアンゼルス、サンクトペテルブルグで開く。過去の個展は展示会の項目をご覧ください。

 

次回鳩居堂での個展は2019年4月2日(火)から7日(日)の予定です。

 テーマのひとつが「紫式部日記」を紺紙銀泥の巻子にまとめたもので、これまでの文字より半分の細字にして上・下を一巻に纏めることが出来た。

なお 恒例の東大名誉教授大場 秀章先生の講演内容も「紫式部日記」と植物がテーマとなります。

 

著作 2014年2月

    「大諷の映画狂時代」

   2018年1月「大諷のへそ曲り

     読書日記」

 

ボクシングは若い頃からのファンにして、頭の中に過去の試合やボクサーの名前が詰まっている。

毎週月曜日のTV観戦記の記事は公平な目での厳しい批評が面白い。世界戦代表的試合は殆ど欠かさずアップしています。

 

 

「ウンベルトD」のカルロ・パッテスティ

ウンべルトD
ウンベルトD

「ウンベルトD」 1951年 伊 ヴイットリオ・デ・シーカ監督
 
ヴイットリオ・デ・シーカの最後のネオ・レアリスム映画である。
良き市民として誇りを持って生きてきた者が年をとり貧しく孤独であるその生活を余す事無く描き出している。年金の値上げのデモも警察に手もなく蹴散られ、アパートの大家からは追い立てをくい、病気でも気にしてくれる者はなく、飼い犬だけが心の拠りどころである。追い詰められて街角にたって乞食をする場面は泣かずにはいられない。ウンベルト老人を演ずるのはフィレンツェ大学の言語学教授カルロ・パッテスティで演技はズブの素人だが監督がそのタイプを見込んで口説き落としたのだという。しかしその演技の見事さは驚異というべきで、立派な顔立ちであるだけに痛々しい。老人の気品が随所に出ており今日我々が見ても身につまされる映画であるが「自転車泥棒」にはあった未来への希望のようなものがこの作品には全くなく、まさに出口のない現実を掛け値なしに見せられたようであった。デ・シーカはこの作品の後からはネオ・レアリスムの作品から離れていったように思われる。