「酒場をめざして」 大川 渉 筑摩書房

この本に通底しているのは場末と江戸の名残を求めているところである。
酒場毎にその成り立ちや肴の特徴を詳細に語っている。日本酒の銘柄にも目を配りきちんと論評している。また酒場の主人のこだわりや思い入れもしっかり取材して、それぞれの特徴も明らかにしている。酒場のほかにもその町の佇まいや商店、寺などにも目を配って、踏み込んだ取材をしており、町あるきの楽しさも味あわせてくれるところである。