「図書」8月号に面白い文章を見つけたー「 王と農夫 」ー 中村哲士による 

14~15世紀パリにおける社会の同区にある人々(ジェレメック著)の中にパリの
3分の1が乞食だった。またその3分の1がパリで乞食をすることが許されない乞食だった。
農業の生産力の不足や飢饉、それに疫病などのせいで都市に避難民が増えてきたが
その受け入れにはおのずと限界がある。だからそうした人々を篩いにかけ、一定数をいわばプロの乞食として保護ないしは黙認し、それ以外のアマチュアは排除することとしたらしい。
プロの乞食は自分達の権益を守るためギルドを作っていたのではないかと推定している。人口の2割を強を占める公認乞食を一応職業従事者とすれば未公認の乞食は完全失業者ということになって、それは今のフランスの失業率とほぼ同じである。