加藤周一の「ひとりでいいんです」読む

戦後を代表する知識人で著作も多いが「日本文学史序説」を始め論旨明解。私の最も愛好する一人である。今回も新しい論理の展開がみられた。

 

1.文化大革命について、根本的には毛沢東の奪権闘争と認識していたが「49年革命によって共産主義政府が樹立されたが、漢代から続く行政官僚は国民党の時代まで続いたエリートによる官僚制度は強固で又旧官僚をすべて排除して新しい官僚に入れ替えることは出来ない政権交代のように新しい官僚を人民に奉仕するように変革は出来ない人民と官僚の対立が生じ、官僚意識の背景にある伝統的な政治を刷新する必要がある。それが文化大革命としてあらわれたと述べており説得力があった。
2.日欧の封建制度についての大きな相違が現代にどう現れているかが、相変わらず明解に主張されていた