和田 大諷

東京都 葛飾区金町在住

佛画・書・刻字・篆刻を制作。

個展は都内、ひたちなか、米国のロスアンゼルス、ロシアのサンクトペテルブルグで開催、20数回に及ぶ。

過去の個展は展示会の項目をご覧ください。

 

2022年鳩居堂の個展のご案内

2021年の個展は(2021年4月)新型コロナウィルス感染防止の為延期となり、新たな開催予定が決まりました。

  2022年 4月 5日(火)~

      4月 10日(日)

  時間 午前11時~午後 7時 

    最終日は 午後 5時 迄

 

  

著 書

 2014年2月

  「大諷の映画狂時代」

  2018年1月「大諷のへそ曲り

            読書日記」

  2019年7月  「大諷の観音の道」

  2020年11月  「大諷の無辺楽事」

  2021年11月「続 ・大諷の無辺楽事

         ボクシング編」

ボクシングは若い頃からのファンにして、頭の中に過去の試合やボクサーの名前が詰まっている。

毎週月曜日のTV観戦記の記事は公平な目での厳しい批評が面白い。世界戦代表的試合は殆ど欠かさずアップしています。

 

 

会場  米国  ニューヨーク州  マディソン・スクエア・ガーデン  ライト級12回戦 ワシル・ロマチェンコ vs リチャード・コミー   他3試合 2021年12月20日 (試合日 12月12日)

会場 ニューヨーク州マディソン・スクエア・ガーデン 試合日 2021年12月12日

1.  S ウエルター級6回戦 サンダー・ザヤス vs アレッシオ・マストロヌンツィオ

2. ライト級6回戦  キーション・デービス vs ホセ・サラゴサ

3.  ヘビー級8回戦 ジャレド・アンダーソン vs オレクサンドレ・テスレンコ

4.  ライト級12回戦 ワシル・ロマチェンコ vs リチャード・コミー

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1.S ウエルター級6回戦

サンダー・ザヤス(プエルトリコ)19才 戦跡 11戦全勝8KO

アレッシオ・マストロヌンツォ(イタリア)26才 戦跡 10戦9勝3KO 1敗

1R 開始早々僅か10秒ザヤスの右ストレートでマストロヌンツィオ ダウン。立上ったところに左ジャブから右フック、ストレートで一方的となりTKOをレフリーは宣言。前評判の高い将来のチャンピオンと目されるザヤスは期待通りの試合であった。

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2.ライト級6回戦

キーション・デービス(米)22才 戦跡 3戦全勝2KO  プロでこの成績のあとアマチュアに転向し、東京オリンピックのライト級で銀メダル獲得しその後再びプロに戻っての初戦である。

ホセ・サラゴサ(メキシコ)33才 戦跡 12戦8勝2KO 3敗1分

1R サラゴサ、ガードを固めて前進、プレッシャーをかけるが、パンチのヒットはせず、このラウンド後半からデービスのペースとなる。

2R デービスの左ボディブローを集中的に打たれ弱ってきたところに右アッパー顎に命中、サラゴサ堪らずダウン。立上ったところに左ボディブローで2度目のダウン。苦悶の表情で立上れずTKOとなる。

デービス  スピード、テクニック、カウンターの巧さと流石にレベルの違いをみせた。

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3.ヘビー級8回戦

ジャレド・アンダーソン(米)22才 戦跡 10戦全勝10KO WBCヘビー級34位

オレクサンデル・テスレンコ(ウクライナ)29才 戦跡 18戦17勝13KO 1敗 

1R アンダーソン左構えで始める。右ジャブを上・下に、次いで左ストレートで主導権を握り、後半は右構えに。

2R アンダーソン、このラウンド右構えにして、いきなりの右フックにヒット。テスレンコはガードを固めブロックしたが そのわずか上にパンチがヒットしてTKOに終わる。

 

上記3試合の勝者3人とも将来チャンピオンとなるような期待の選手であると評価されているが、ヘビー級のアンダーソンは全試合KOで来ている。しかし、これは対戦相手が弱い為で確かにボクシングは型通りに嵌っているいるが、目を見張るような特徴がなく、これから当たるランキングボクサーと闘ってこのまゝ通用するか、評価これからである。

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4.番外ニュース ロマチェンコ、コミー戦のに前に、ゲストとしてリングに登ったボクシング界の最大のスーパースター タイソン・フューリーが90才を迎えたトップランク社 CEO ボブ・アラムを祝って「ニューヨークのみんな 楽しくやっているかい、海を渡ってきたけど、たった5000マイルの距離だったよ。世界一の伝説のプロモーターの為に歌いに来たんだ。ボブはどこにいる?ボブ・アラム、ボクシング界のレジェンドだ。そして俺がこの惑星で最も偉大なボクサーだ。だから誰もが知っているあの歌をみんなで唄おうぜ!ハッピーバースデートゥーボブ!」フューリーはそのエンターティナー振りを今回も遺憾なく発揮した。

 

4.ライト級12回戦

ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)33才 戦跡 17戦15勝11KO 2敗 ニックネームは「ハイテク」。3団体王者であったがティモフィオ・ロペスに惜敗してタイトルを失い、再起戦で中谷をKOで下し、これが2戦目である。このクラス4団体統一王者はロペスを判定に下したジョージ・カンボソス、WBAレギュラー王者ジャーボンティ・デービス、WBC王者デビン・ヘイニ―がいるが何といってもロマチェンコがこのクラスの中心である事は間違いないところだ。

リチャード・コミー(ガーナ)34才 戦跡 33戦30勝27KO 3敗 ティモフィオ・ロペスに2RKO敗けでIBFのタイトルを失ってのこちらも再起戦であり、ボクシング界の有数のハードパンチャーである。

1R コミー 左ジャブを型どおり10数発、ボディブローを1発出すが、いつもに比べてやゝ腰が引けているようだ。

2R 1ラウンド様子をみていたロマチェンコの動きが急に活発になってくる。コミーは動きを止めるべくクリンチでこれを防ぐ。コミーの腕力は相当なものでロマチェンコがこれを振り解くのは仲々のようだ。

3R コミーは試合の主導権を握るべく接近戦を挑み連打するが、ほとんど当らない。ロマチェンコの右ジャブ速く、上・下に打ち分け、的確。上体を絶えずうごかし、前後、左右に動いてコミーに的を絞らせず、左ストレートのカウンター、コミーの顔面にクリーンヒット。

4R ロマチェンコの動きが一段と精彩を放ち細かいパンチが 精彩を帯びる細かいパンチがコミーの顔面、ボディに数多くヒット一方的となりコミーも何とか攻撃に転ずるが、打つ前に打たれ、打つと躱されカウンターを打たれてスピードと技術の差が歴然としてくる。

5R コミーがクリンチするところ、ロマチェンコ振り解いて左ショートフックを振う。タイミング絶妙。ウマイ!右ジャブからの左ストレートでコミーふらつく。細かいパンチをタイミング良く数多く浴びて、コミーのダメージが重くなってきた。

6R ロマチェンコすっかり余裕をもってきて、コミーの必死の攻撃を難なく躱し、自分のパンチを当てる。

7R ロープ際でロマチェンコの攻撃をクリックで凌いで、コミーがホッとした時右手をクリンチから抜いて距離を僅かにとったと見る間に、ロマチェンコの超至近距離から左フックのショートフックがコミーの顎を捉えて、コミー ダウン。立上ったコミーが足がふらつくのをみたロマチェンコはコミーのコーナーに、もう無理だから試合をやめるように訴えるが、これに応ぜず試合再開したロマチェンコは倒しにかゝるがコミー必死に耐えて辛うじてゴング。

8R ロマチェンコ 7ラウンドの猛攻でこのラウンド休む。

9~12R コミー何とか立ち直るが試合は一方的。コミーはKOを免れるのに精一杯のまゝ終了。

 

判定は117:110が一人、119:108が二人で、ロマチェンコの完勝であった。変幻自在の動きと防御に対する絶対の自信、完璧のガード。どこから出てくるか分からない多彩なパンチと当て感の良さ、相手の空いたところを見逃がさなずパンチを打ち込む鋭さに、相手は自分のパンチは全く当らずに一方的に打たれるこのような試合は過去歴戦の雄たちが悉く子供扱いされて途中ギブアップしてきた事はニコラス・ウオータースやギジェルモ・リゴンドー等で何度も見てきた。対ティモフィオ・ロペス戦も左手を負傷していた事が試合後判明、試合後手術している。それでも、この試合有効打は圧倒的にロマチェンコにあったのである。その後の中谷戦、今度のコミー戦をみてもロマチェンコの完全復活は間違いのないところで、4団体統一への道が再び見えてきたといえよう。

 

一方コミーはフェザー級のニコラス・ウォータース型の強打者で、普通に打ち合う相手ならば無類の強さを発揮することであろう。しかし相手が何せロマチェンコである。いつどこから飛んでくるか解らないパンチと打とうと思うとそこに相手が居ない為に打つタイミングが掴めず、無理にパンチを出すとその空いた部分を打たれ、また打つ前に打たれ自分のパンチは相手の身体にも当たらず殆んどが空振り、しかも軽いパンチでも正確にヒットされて精神的にも肉体的にも消耗してくることから、多くの有力ボクサーが途中棄権して試合を諦めてきたのである。しかしコミーは最後まで諦めずに一発逆転を狙って戦ったことはこの試合で評価を下げることはないであろう。

 

会場 カリフォルニア州カーソン・ディクニティ・ヘルス スポーツパーク 2試合   試合日 2021年12月11日

1.S ライト級10回戦

ブランダン・リー(韓国系アメリカ人)22才 戦跡 23戦全勝21KO、IBF Sライト級9位

 

対戦者  ファン・エラルデス(米)31才 戦跡 18戦16勝10KO 1敗1分 1敗はプログレイスに3R KO負けである。

 

1R エルナンデス積極的に打って出るが、リーの右フックがヒットしてエルナンデス消極的になる。

 

2R リー 左ジャブのボディブローさかんにだす。エルナンデスはりーのジャブの打ち終わりを右フックのカウンター狙い。

 

3、4R 一進一退が続いて5Rリーが攻撃を強めて右ストレートが数発ヒット。エルナンデス 上・下でパンチを受けて後退気味、このラウンドで鼻血を出す。

6R 5Rの流れを受けてパワーの差が出てきた。

 

7R 左フックからの右ストレート顔面に命中。エルナンデス後方に飛ばされてダウン。立上れずKOとなる。

 

リーは今までは踏み込みも鋭くパンチも思い切り振っていたが、相手のレベルも高くなり、注意深く試合をすゝめ、徐々に相手を弱らせたうえで、得意の右ストレートで仕留める巧みさをみせた。今大学に在籍し、IQも高く成績も優秀であるとの事。ニュースターの誕生を思わせた。一方エルナンデスは試合巧者でカウンターもうまく、当て勘も良く、完成された良いボクサーであった。    

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2.WBCバンタム級タイトルマッチ

チャンピオン ノニト・ドネア(フィリピン)39才 戦跡 47戦41勝27KO 6敗

レイマート・ガバリョ(フィリピン)25才 WBC暫定王者 戦跡 24戦全勝20KO 

ドネアはフライ級からフェザー級まで5階級を制していたが、フェザー級でニコラス・ウオータースにKO敗けしてから低迷したが、クラスをバンタム級にさげて復活。2021年5月全勝チャンピオン  ウバーリを4R左アッパーでKOして再度輝きをとり戻した。

一方ガバリョはエマヌエル・ロドリゲスを2:1の僅差の判定に下し暫定王座についた。同団体の統一戦である試合前の記者会見で英語が話せないガバリョの話を引き取って通訳を買って出たドネヤが後輩を気遣うやさしさをみせた。又自分について朝起きるとまるで20才のように感じて、このまゝで行くと50才まで現役を続けられそうだと語っている。

 

1R ドネヤの左ジャブから試合が始まり、ガバリョの左ジャブ、右ストレートは速く鋭く力感が溢れていて軽量級とは思えない緊迫した試合となった。

 

2R ドネアはガバリョの距離を始めから見切っていたように小刻みなスッテプを踏んで距離を詰め圧力をかけ、相手がたまらずに出てきたところに左フック、アッパーを繰り出す作戦で、主導権を完全に握っていた。

 

3R 一瞬も気を抜けない試合が続く。

 

4R ドネアは右ボディブローを2発のあと、左ボディブローを2発。ガバリョはドネアの左フック顔面に注意を集中していた為に、レバーへの左フックに対応できずダウン。苦悶の表情を浮かべて立上ることが出来ずにカウントアウトとなる。

 

ドネアは自信に満ちて試合に臨んで余裕をもって戦っており、ガバリョの顔面に注意を集中させておいて、左ボディに強烈なパンチを送り込んだ。最小限のエネルギーを使って、無駄な動きを拝しての完璧な試合であった。

一方のガバリョの体調の仕上がりはロドリゲス戦と比べて数段の出来で、そのスピード、パワーは一段と上達しており、ドネア以外であれば十分な王者であったろうと思わせた。

これでドネアと井上の実力の差は大分縮まったとみられて大一番に向けて期待が高まった。ちなみにファイトマネーはドネアの最低保障は20万ドル、勝利すれば更に15万ドル、合計35万ドルで呆れるほどに少ない。ドネアがこれに応じたのは次に井上尚弥との対戦で桁違いの報酬が見込まれるからであろう。

 

会場 米国 ロスアンゼルス ステーブルズ・センター                  試合日 2021年12月5日

1.WBC ウェルター級挑戦者決定戦

セバスチャン・フンドラ(米)23才 戦跡 17戦16勝12KO 1分 同級4位

セルシオ・ガルシア(スペイン)29才 戦跡 33戦全勝14KO 

フンドラは197㎝の長身、ガルシアは185㎝。

1Rから12Rまでガルシアは圧力をかけて前進。フンドラはガルシアの前進を止める右ジャブがない為に中に入られて、終始接近戦を強いられたが、彼自身接近戦が嫌いではないようで長い手を折り畳んで左アッパーを中心に迎え打つスタイルで対抗した。ガルシアは圧力をかけてパンチを振うが、フンドラの左フック・左アッパーが待ち受けているので、懐に入っても攻撃に結びつけられずに、フンドラの左ストレート、アッパーの餌食となって攻撃はとるが有効打は打つことが出来ずに敗北した。

115:113が一人、117:111、118:110でフンドラに軍配が上がった。

これだけの長身選手はガルシアとしても初めての対戦で大分戸惑ったようで自分の持ち味が出せなかったようである。

しかしこのWBCのチャンピオンは無類の強打者ジャメル・チャーロで今までの相手と桁違いの強打者でやゝひ弱さをみせるフンドラがどう戦うか見ものである。

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2.WBAライト級タイトルマッチ

チャンピオン ジャボンティ・デービス(米)27才 戦跡 25戦全勝24KO ニックネームはタンク、フロイド・メイウェザーの秘蔵っ子である。

挑戦者 イサック・クルス(メキシコ)23才 戦跡 24戦22勝15KO 1敗1分

1R 開始早々クルス猛然と前進。左フックを右フック デービスの顔面にヒット。先制攻撃をかける。

2R クルスの攻撃続くがデービスの右アッパー ヒット。

3R デービス  やゝ落ちついてきて、前進するデービスに左・右のカウンターをあてる。

4R クルスのボディブロー 数発ヒット。

5R デービスのスピードあるパンチが次第に軽くではあるがヒットし始める。

6R デービスのボクシングが生き始め、自在に動き、多彩なパンチが際立ってきた。

7R 前半に掛かっていたクルスの圧力が弱り、デービスのボクシングが完全にすゝみ始める。

8R これではいかんとみたか、クルス攻撃力を強め盛り返す。

9R デービスにメィウェザーからゴーサインが出てデービス倒しにかかる。クルスもこれに応戦。

10R  クルスはデービスをコーナーに詰めて攻撃するが、デービス余裕をもってこれを受け止め、攻撃を強める。

11R デービス、左手を痛めて左を全く出さず右だけで闘う。 

12R 11R 同様。

判定  116:112が1人、115:113が2人で、デービス勝利したが不本意な試合であったろう。

クルスはガッチリと両腕でガードを固めてひたすら前進し、デービスのパンチをまともに喰わない作戦は功を奏し、倒されなく判定に持ち込んだクルスは攻撃力も耐久力もスタミナもあり、ガードも固いことからデービスも攻めあぐねたが、その能力の高さは随所にみせてくれて、そのスピードと威力、センスはスーパースターとしての存在感を存分に見せてくれた。