和田 大諷

東京葛飾区金町在住

佛画・書・刻字・篆刻を制作

20数回の個展を都内、ひたちなか、ロスアンゼルス、サンクトペテルブルグで開く。過去の個展は展示会の項目をご覧ください。

 

次回鳩居堂での個展は2019年4月2日(火)から7日(日)の予定です。

 テーマのひとつが「紫式部日記」を紺紙銀泥の巻子にまとめたもので、これまでの文字より半分の細字にして上・下を一巻に纏めることが出来た。

なお 恒例の東大名誉教授大場 秀章先生の講演内容も「紫式部日記」と植物がテーマとなります。

 

著作 2014年2月

    「大諷の映画狂時代」

   2018年1月「大諷のへそ曲り

     読書日記」

 

ボクシングは若い頃からのファンにして、頭の中に過去の試合やボクサーの名前が詰まっている。

毎週月曜日のTV観戦記の記事は公平な目での厳しい批評が面白い。世界戦代表的試合は殆ど欠かさずアップしています。

 

 

会場 ニュージャージー州ニューアークプルテンシャルセンター NABO北米フェザー級タイトルマッチ 2019/08/05

シャクール・スティーブンソン WBA・WBOフェザー級1位

戦跡11戦全勝6KO 16年リオ五輪銀メダリスト

ニックネームはフィアレス(怖いもの知らず)

アルベルト・ゲバラ相手に1Rから押しまくり2Rにダウン2度。3Rに2度ダウンを奪ってKO勝ち。年内にはタイトルマッチが組まれる事であろう。

プロ転向時にはスピードとうまさが目立っていたが、体力がつきパンチも強まり、倒しやになりつつある。

会場 ラスベガス・MGM・グランドガーデン・アリーナ WBOインターコンチネンタルヘビー級タイトルマッチ 2019/08/05

タイソン・フューリー イギリス 30才

戦跡28戦27勝19KO 1分 元3団体王者

トム・シュワルツ ドイツ 25才

戦跡24戦全勝16KO

 

フューリーは黒いフード付ガウンをまとって登場。これを脱ぐとアメリカ国旗をあしらったシルクハットとガウンでロッキーを思わせるパフォーマンスで、そのエンターテイナー振りを披露し観客の気持ちを瞬時に掴んだ。

シュワルツは全く霞んでしまったが、その上スーパーファイトに怖気づいたが実力もついていけない様子であった。

 

1Rフューリー左構えにチェンジ。左ストレートでシュワルツ鼻血を出し、これではならじと攻撃に出るが総て躱された上、ロープに詰められて、左ストレートを受けてダウン。立上がったところ連打でレフリーストップ。2分54秒であった。フューリーは開始早々から相手を完全に呑んでかかり、格下にスパーリングをつけるような試合振りでヘビー級の2大実力者の力を世界に示した。ワイルダーとの再戦が待たれる。

会場 ラスベガス・マンダレイベイ・リゾート&カジノ ミドル級6回戦 2019/07/29

ジョーイ・スペンサー アメリカ19才

戦跡7戦全勝6KO

白人のスター候補生として期待の星

 

アキーム・ブラック アメリカ24才

戦跡7戦5勝2KO2敗

スペンサー59:55の判定(3人とも)で勝利したが、左手を曲げたデトロイトスタイルで斗ったが、ブラックの早いパンチに対応できず大苦戦。防御も攻撃も基本から練習し直す必要ありとみた。今のままでは大成はおぼつかない。

WBC S・バンタム級 挑戦者決定戦

ギジュルモ・リゴンドー キューバ38才

戦跡20戦18勝12KO 1敗1無効試合

シドニー・アテネオリンピックで連続金メダル獲得

WBA王座を10度防衛し、ライト級のロマチェンコと対戦したが、途中ギブアップで完敗。大いに株を下げた。

 

対戦者 フリオ・セハ メキシコ26才

戦跡35戦32勝28KO3敗

1R~8Rまでリゴンドーは試合の運び方を根本的に変えて斗った。従来は相手との距離を取り、相手の出てくるところに右ジャブからの長い左ストレートのカウンターで迎え打ち、当ったとみるや連続攻撃で止める。相手に打たせないで打つ。徹底したスタイルで斗って北川、人気が今一つ出ないことから試合のプロモーターが仲々つかず、ビッグマッチにも恵まれなかった。やっと掴んだロマチェンコとの対決に惨敗。戦略を変更して、接近戦で正面から打ち合う作戦をとる事とした。

汚名挽回と人気獲得の為である。

 

セハにとっては得意の分野で願ってもない接近戦で目一杯斗った為に、一進一退、リゴンドーにとっては始めてスペンスは時折り強烈なパンチを振う。始めての経験であり、相当に打たれたが8R、左フック一発でセハをKOに下した。しかしこれだけ打たれては、選手生命を縮める事になる。年齢の事もあって果してリゴンドーの今後はどうなるか。

Sウェルター12回戦

前WBC Sウェルター級チャンピオン

ジャーメル・チャーロ アメリカ 29才

戦跡32戦31勝15KO1敗

トニー・ハリソンにまさかの敗戦で王座陥落した。復帰戦である。ニックネームは「アイアンマン」

双子の兄はミドル級王者

 

対戦者 ホルヘ・コタ メキシコ31才

戦跡31戦28勝25KO3敗

ニックネームはテモニオ(悪魔)

 

3R 右ストレートでコタダウン 立ち上ったところに右ストレート見事に顎にヒット。コタ・ダウンしてしばらく立上れず、壮絶なKOであった。

ジャーメルはタイトル獲得前は技術優先のスタイルであったがその後強打者に変身。中量級の有数のハードヒッターとなった。今やチャーロ兄弟はSウェルターとミドルのクラスの台風の目となっており、サウル・アルバレスの最強の敵となった。

会場 ラスベガス・MGMグランドガーデン・アリーナWBAウェルター級王座統一戦 2019/07/22

WBAウェルター級スーパーチャンピオン

キース・サーマン アメリカ30才

戦跡30戦29勝22KO 1無効試合

 

6年間で8度の防衛を果している。2年前に強豪ダニー・ガルシアと突貫ショーン・ポーターと斗い打ち勝ってウェルター級最強と謳われたが、故障によって2年間ブランクをつくり、復帰第1戦に勝利し、6ヶ月振りの試合である。

 

ニックネームは「ワンタイム」

挑戦者 WBAレギュラーチャンピオン マニー・パッキャオ

フィリピン 40才

戦跡70戦61勝39KO 7敗2分

 

10代20代30代40代にかけてフライ級からS・ウェルター級までのうち6階級を制覇しておりいずれもボクシング史上初めての選手である。強打のルーカス・マティヤをKOに下して何度目かの戴冠を果し、自身2度目の防衛戦でもある。

 

1R サーマンは自信満々にドッシリと構えてゆっくりと前進圧力をかけてパッキャオをロープに詰めて攻勢をとったが、終盤近く左から返しの右フックを受けてまさかのダウンを喫した。サーマンの足が揃ったところにパンチを受けてバランスを崩してダウンしたものでダメージはなかったが、精神面での負い目は図り知れないものがあった事であろう。

 

2R サーマンの従来の試合は、左右のパンチを大きく振って攻めるスタイルであるがスピードがある為に、付け入られる事がなかった。しかし今回ダウンを奪われて戦術を転換したが、左ジャブを多くし、右はショートストレートを主体に切り換えて慎重に対処するようになる。パッキャオはダウンを奪って、動きが良くなり、右フック、左ストレートが不十分ながらヒット、ペースを握った。

 

3R お互いにフェイントをかけ合い、有効なパンチはなく一進一退。

 

4R サーマンは主導権をとり戻すべく攻勢に出るが、パッキャオも反撃、両者の手数が多くなる。

 

5R サーマン4R同様流れを取り戻す為に攻撃力を強める。このラウンドをどちらが取るかによってこの試合の帰趨を決める重要なラウンドとみて、互いにベースを取り合う。

サーマン鼻血を出す。

 

6R 両者手数は多いが有効打はない。

 

7R サーマン、積極的に攻撃。右ストレート・左ジャブのカウンターを当てて、サーマンのペースとなってきた。

 

8R パッキャオ、前ラウンドの劣勢をとり戻す為に動きも良くパンチも当り出す。

 

9R 一進一退

 

10R サーマン局面を打壊する為にパンチを振って前進するところ。パッキャオの左アッパーのボディブローを受けて、サーマン明らかなダメージを受けて以降スピードもパンチの力強さを失われる。

この試合で1Rのダウンを除けば両者にとって唯一のクリーンヒットであった。

 

11R サーマン必死で右ストレート2発有効打あり。このRをとる。

 

12R パッキャオ優勢のまま終了

 

判定は114:113が1人サーマン。115:112が2人パッキャオでパッキャオがタイトルを統一した。

明確な差は1Rのダウンと10Rのボディブローであとはどちら有利とも云えない試合でありこの2つのラウンドが勝敗を決定したのである。

試合前サーマンはパンチ力、パンチのスピード、スタミナ、体格、すべての面で自分有利は動かないと確信していたし、何といっても自分は脂の乗り切った絶頂の30才。相手は引退していて当然の40才で体力の衰えは誰も否定できない事実であったからだ。従ってパッキャオのパンチを少々食らっても大丈夫と思っていたであろう。

やや相手を甘くみたか、体力にまかせて圧力をかけロープに押し込んだが、ショートの右フックを受けてまさかのダウンを喫した。2R以降、倒すのを断念して、ポイントを獲得する作戦に切り換えて、コンパクトの左ジャブと右ストレートと主要武器としたが、いかんせん迫力に乏しくなったのは否めない。中盤から主導権を取るべく何度も仕掛けたが、その都度反撃にあって果せず。

一進一退をくり返すなか、1R、10Rの2ラウンドの有効打が勝敗を決した。10Rのボディブローにみるパッキャオの攻撃力はサーマンの予想をはるかに超えていたのである。パッキャオ恐るべし。

会場スコットランドのグラスゴー WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)準決勝2019/05/19

バンタム級4団体の中で誰が一番強いのかを8人で争うトーナメント。WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)の準決勝戦である。

 

WBAチャンピオン 井上尚弥26才

Lフライ級 Sフライ級 バンタム級の3階級制覇チャンピオンで準々決勝はファン・カルロス・マヤノを1R70秒でKOに下している。

戦跡17戦全勝15KO 内世界戦12戦全勝11KO ニックネームはモンスター

対するIBFチャンピオン エマヌエル・ロドリゲス

プエルトリコ 26才 戦跡19戦全勝12KO

ニックネームはマニー

 

現地のオッズは5:1で井上と出ており、計量時のロドリゲスはこれを知って、これまでの試合で戦前の予想で自分が劣勢に立ったことが始めての事もあって、表情がやや硬く、緊張しているのがみてとれた。井上はリラックスして笑顔もみせていた。

 

1R ロドリゲスは井上を前に出させてはその攻撃力からみて勝機はないと考えたのであろう。序盤に主導権を握ることが、何より大事とみて積極的にパンチを出し、井上の左リードに右ストレートを合せる等、圧力をかけて前に出て、先ずは作戦通りに1Rを終了

2R 1Rで様子をみていた井上は打って出るとロドリゲスもここが勝負とみて正面から対抗するが、井上の左ショートフックが顔面を捉えるや、ロドリゲス堪らずダウン、鼻血も出す。何とか立ち上ったところに顔面警戒のロドリゲスに左フックのボディブロー決まってロドリゲス苦悶の表情を浮かべて2度目のダウン。この時点で首を振ってもう駄目の意思表示をしたが、それでも立上ったところ、再びの左フックのボディブローで3度目のダウン。レフリーストップとなった2R1分19秒であった。司会者が今回は何故2Rもかかったのか質問したように今や井上のパンチの威力はヘビー級を除けば、全階級のトップに位置するといって過言でない。

年内に沢勝戦が行われるが相手は歴戦のつわものノニト・ドネアだが、余裕のアクシデントでもないかぎり井上の圧倒的有利は変らないであろう。

ロサンゼルス マラーブルズ・センター WBOライト級2019/04/13

 チャンピオン ワシル・ロマチェンコ ウクライナ31才

戦跡13戦12勝9KO1敗 3階級制覇している13戦のうち12戦が世界戦であり、パウンド・フォー・パウンド1位にランクされているスーパースターである。

挑戦者 アンソニー・クロラ イギリス 32才

戦跡43戦34勝13KO2敗1分

ニックネームはミリオンダラー 元WBAライト級王者ホルヘ・リナレスと統一戦を戦い敗れてタイトルを失う。

戦前のオッズは18:1で当然ながらロマチェンコであるクロラの計量時の自信に満ちた表情とその体型をみても体調は完璧に仕上げて来たことがうかがえた。

1R ロマチェンコはフェイントを掛けて威嚇、早い右ジャブを上・下に終盤はコーナーに詰めて上・下・左・右にコンビネーションを打ち分ける。

クロラは戦前の予想では前に出て、左右フックをボディにとであったが、ロマチェンコのスピードとパンチの早さに防御するので手一杯。

2R ロマチェンコは右ジャブの連打から、右フックをボディ、左アッパーを顔面ボディにと一段とスピードを上げる。クロラは右フックをボディに一発のみ一方的に押される。

3R ロマチェンコは右フックを上・下に、体を入れ替えて左ストレートをボディに上・下・左・右にパンチを散らし、クロラは防戦一方、ロープに詰めて左・右の連打で、打たれ続けたクロラを見て、レフリーは両者の間に割って入った。ロマチェンコもコーナーも試合終了と判断しコーナーもリングに入ってきたが、レフリーはロープダウンを宣言し、試合は続行すぐコングでクロラは救われる。

4R ロマチェンコは倒しにかかり、左ボディブローは強烈。ついで右ふっくがランプルを直撃、クロラは顔面からマットに沈んでしばし立ち上がれず、壮絶なKO敗けとなった。クロラはリングに上って何もさせてもらえずに唯打たれて完敗した。

ロマチェンコの強さの秘訣は一体どこにあるのか、第一に相手との距離がある。自分は自在に動けてパンチも当たるが相手は戦えない距離で動きが早くてクリンチもできない。

リング上で相手と対峙した時点で瞬時に距離を把握するやフェイントをかけて威嚇。更に右ジャブをつきながら一気に距離を詰める。相手は異常スピードで接近する敵との距離をとる為に後進するが、それを許さず距離を確保するのだ。

第ニに相手は接近する敵を止めるべく、ジャブ・ストレートを繰り出そうとするが、その気配を察知して先にパンチを出し、相手の攻撃を封ずる、又はステップバックして攻撃をかわすやいなや、すぐさま元の攻撃位置に戻る。

第三に、接近された相手が自分の距離を確保する為に後退し体制が整わない時点で多彩なパンチ、右ジャブ、左右ストレート、フック、アッパーを上・下・左右に打ち分けられ相手は防御に追われて体制が崩れたところにパンチを受けて、ダウンに追い込まれる。強いパンチでなくても良いのだ。

第四に相手の力量を見極めたら、あとは変化自在に自分の予定通りに試合を進めて打たれた相手が体力的にも消耗し、それ以上に子供扱いされて一方的に打たれ続けた為に気力を奪われてもう何をやってもやがて倒されるだけだと戦斗意欲を失ってしまう。

唯一、ホルヘ・リナレスのカウンターのショートストレートを食ってダウンを喫したのが、あの至近距離であのショートストレートを打てるのは今ホルヘしかいなにので、天才のホルヘの技術はさすがのロマチェンコの予想を超えたものであっただろう。

リナレス戦とペトラザ戦でやや苦戦したことでロマチェンコもこの2戦のモヤモヤを払拭する意気込みが感じられて前半から攻撃的であった。2度の防衛戦を終え、3度目となったこの試合で、このクラスによって一段と凄みが増した。相手のパンチを受けない技術は生来のものが絶対の自信をもっており、そうでなければアマの戦跡396勝1敗などというとてつもない記録は生まれなかったであろう。ライト級での最後の敵はミゲール・マイキー・ガルシアであるが、この強敵もこの調子でいけば問題なく下すことであろう。この選手は一体どこまで高みに登って行く事であろうか。

テレビで試合をみて、さほど力を入れていないパンチなのに、何故倒されるのであろうと不思議に思われる。レオ・サンタクルス(WBAフェザー級王者)のようにあれだけ打っても、仲々KOは出来ないのにと、ロマチェンコは相手の打たれると思わない時に、その個所を打たれると思わない処を打つので、通常の2倍・3倍とダメージを与える事ができるのであろう。