和田 大諷

東京葛飾区金町在住

佛画・書・刻字・篆刻を制作

20数回の個展を都内、ひたちなか、ロスアンゼルス、サンクトペテルブルグで開く。過去の個展は展示会の項目をご覧ください。

 

次回鳩居堂での個展は2019年4月2日(火)から7日(日)の予定です。

 テーマのひとつが「紫式部日記」を紺紙銀泥の巻子にまとめたもので、これまでの文字より半分の細字にして上・下を一巻に纏めることが出来た。

なお 恒例の東大名誉教授大場 秀章先生の講演内容も「紫式部日記」と植物がテーマとなります。

 

著作 2014年2月

    「大諷の映画狂時代」

   2018年1月「大諷のへそ曲り

     読書日記」

 

ボクシングは若い頃からのファンにして、頭の中に過去の試合やボクサーの名前が詰まっている。

毎週月曜日のTV観戦記の記事は公平な目での厳しい批評が面白い。世界戦代表的試合は殆ど欠かさずアップしています。

 

 

ボクシングTV観戦記 2015年6月~12月

               おことわり

2015年12月14日の3団体統一戦ヘビー級タイトルマッチマッチ。

チャンピオン  ウラジミール・クリチコ vs タイソン・フェーリーの記事は

2016年1月~ の最初に掲載しました。記念すべき対戦是非ご覧下さい。

 

IBF Sミドル級タイトル・マッチ チャンピオン ジェームス・デゲィル vs ルシアン・ビュテ      2015年12月21日

会場 カナダ ケベックシティ ビデオトロン・センター  (2015年12月21日)

 

IBF Sミドル級タイトル・マッチ。
チャンピオン ジェームス・デゲィル(英国)29歳。戦跡 22戦21勝14KO 1敗、

ニックネームは「ガッチリ」。北京五輪の金メダリストである。

初防衛戦。スイッチヒッター。

 

挑戦者 ルシアン・ビュテ 元IBF Sミドル級チャンピオンを9度防衛している強豪である。サウスポー
戦跡 34戦32勝25KO 2敗 ニックネームは「プレイボーイ」

 

1R 共にサウスポーであるがデゲィルはラウンド途中で左構え右構えに変幻自在に

   変化する。ビュテは前進し圧力をかけて立ち上る。

 

2R~12Rまで前進し続けるが手数が少なく、後退し続けるデゲィルの退りぞきながら

      の軽いパンチを受け続け、相手を掴まえ切れない。デゲィルのパンチの速さと動

      きの速さと、自在に変る構えについて行かれない。

 

5Rにデゲィルは左目上を切るが、大勢に影響なくデゲィルが主導権を握ったまゝ試合

     終了。

 

判定は116:112が1人、117:111が2人でデゲィルの完勝であった。
デゲィはルパンチに威力がある訳でもなく魅力に乏しい選手だが試合運びは確かにうまい選手である。
ビュテはスーパーシックスが華やかに戦われた時にこれらに加わらずに、IBFのチャンピオンとなり9度の防衛を果たし、一気に人気上昇した。

 

しかし2012年5月カール・フロッチに衝撃ののKO敗けを喫して以来、その切れ味鋭い左アッパーのボディブローと左フックは鳴りを潜めて平凡な選手になってしまった感があり、残念である。

 

WBC Sライト級10回戦 アミール・イマム vs アドリアン・グラナドス(2015年12月21日)

会場 カナダ ケベックシティ ビデオトロン・センター(2015年12月21日)

WBC Sライト級10回戦

 

アミール・イマム(アメリカ)25才、同級1位 戦跡18戦全勝15KO ニックネームはヤング・マスター

Sライト級の次世代のホープで「世界戦の前哨戦」とも云うべき一戦である。

対戦者アドリアン・グラナドス(アメリカ)26才 戦跡19戦14勝9KO3敗2分 ニックネームはタイガーファンマヌエル・マルケスのスパーリング・パートナーを務める。

 

1R グラナドスは離れては不利とみて先制攻撃を仕掛けるがイマムの右ショートスト

  レートでグラナドスダウン。イマムは序盤の為か仕止めに掛ることはせずに様子を

  みる。

 

2R 手が長くボクシングの巧いイマムに対してグラナドスは攻勢に出て
   接近戦を挑むことで対抗する作戦に出る。


3Rから一貫して接近戦に持ち込むグラナドスに、的確なパンチは当っても次第に劣勢

       に追い込まれて主導権はグラナドスへ傾く。

 

8R イマムをロープに詰めたグラナドスは連打でレフリーストップを呼び込み
  

大番狂わせで勝利を掴んだ。大事に育てられたイマムはセオリーなしの
  ガムシャラに打ってくる相手は始めてのようで、防ぐすべを知らずに巻き
  込まれて、いつの間にか相手のペースに嵌って、快進撃をを止められた。

Sライト級にはグラナドスの比ではないショーン・ポーターやルスラン・プロポドニコフ
等の突進力のある選手が犇(ひし)めいており、このひ弱さではタイトル奪取は難しい。
大金星のグラナドスはこれ以上は望めまい。

 

WBC ヘビー級 シルバー タイトル・マッチ アレキサンドル・ポペトキン vs マリウシュ・ワフ (2015年12月14日)

会場 ドイツ  デュセルドルフ エスプリ アリーナ  (2015年12月14日)

 

WBCヘビー級シルバー タイトルマッチ

 

アレキサンドル・ホペトキン(ロシア)36歳。 戦跡 30戦29勝21KO 1敗 1敗は

ウラジミール・クリチコ戦.

 

対戦者 マリウシュ・ワフ(ポーランド)35歳。戦跡 32戦31勝17KO 1敗。

1敗はウラジミール・クリチコ戦。

 

1R ワフは左ジャブで距離をとり懐に入れない作戦である。ポペトキンは圧力をかけ

  て前に出る。

 

2R ワフは防御を主体にとして辞でポペトキンを止めようとするが、ジャブにスピー

  ドがなく入り込まれぎみである。

 

3R ポペトキン 左フック一発、右一発有効打、ワフは手が出ない。

 

4R ポペトキン手数が増えてワフは後退、ポペトキン左目を切る。

 

5~6R ポペトキンの優勢は変らず、ワフは時折発つ右ストレートをもっと使うべき。

 

7~11R ワフはポペトキンに完全に入り込まれ、後手後手に廻る。ポペトキンは闘い

  方を把握して、多彩なパンチを顔面、ボディに送り込む。

9R ワフ左目下を切る。

 

12R ポペトキンはの左フックがワフの傷口に当り、ひるんだところでレフリース

   トップ TKOとなる。

 

ワフは 202cm リーチは208cmのポペトキンとの差17cmの有利さを生かせず一方的

に敗れた。

WBOフェザー級タイトル・マッチ チャンピオン ワシル・ロマチェンコ vs ロムロ・コアシチヤ    (2015年12月7日)

会場 米国 ネバダ州ラスベガス トーマス&マックセンター (2015年12月7日)

WBOフェザー級タイトルマッチ

 

チャンピオン ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)27歳、北京ロンドンの五輪金メダ

リスト、アマチュアの成績は396勝1敗 プロ3戦目でゲイリー・ラッセルを下して戴冠。
戦跡 5戦4勝2KO 1敗、1敗はチャンピオン初挑戦のオルランド・サリド戦である。史上最高のアマチュア選手と言われている。ニックネームはウクライナのハイテク。

 

挑戦者はロムロ・コアシチャ(メキシコ)24歳 同級7位。戦跡 28戦24勝14KO 1敗。

 

1R ロマチェンコの動きは相変らずで右リードパンチをスムーズに突く。

 

2R コアシチャ攻撃を仕掛けるが全く当らない。

 

3R ロマチェンコはスピードアップして動きは更に早くなり、一方的展開となる。

 

4R スピードの差がありすぎて、格下に練習をつけている様相を呈してきた。

 

7R 攻撃に力を入れ始め、終了が見えてくる、そのまま10R。初回から有効だった
  ボディブローで諦めたコマシチャは立上がらずにKOとなる。
 
ロマチェンコの攻撃、防御のテクニックは現在最高のレベルで、攻撃のパンチの精度と

タイミングも抜群。足も速いが無駄な動きはなく最小の動きしかしない。

ガードも固く防御の身体の動かし方も完璧で非の打ちどころが無い。

プロでの人気の為に相手を倒す点については過度に期待するのは止めたほうが良いので

はと思う。
ロマチェンコのボクシングは完成されて、ダウン等なくても充分に美しく見事なのだから。

WBO ウェルター級タイトル・マッチ チャンピオン ティモシー・ブラッドリー vs ブランドン・リオス(2015年12月7日)

会場 米国 ネバダ州ラスベガス トーマス&マックセンター (2015年12月7日)

 

WBOウェルター級タイトルマッチ

チャンピオン ティモシー・ブラッドリー(米)32歳、戦跡 35戦32勝12KO 1敗1分1無効試合。ニックネームは砂嵐、1敗はあのパッキャオである。

 

挑戦者 ブランドン・リオス(米)29歳、戦跡 36戦33勝23KO 2敗1分。

ニックネームはバンバン。
2敗はマイクアルバラードとの死闘とパッキャオには完敗した。

 

1R ブラッドリーは左ジャブを有効に使ってスピードで闘うようだ。リオスは接近戦

  で力で対抗。

 

2R お互いに打ち合うがブラッドリーのスピードと手数がリオスを上回る。

 

3~6Rまで ブラッドリーのスピードと左の強い左ジャブ、左右のボディブローが一層

  冴を増し、リオスついていかれない。

7R、8R お互いに打ち合うがボディーを打たれ続けたリオスは打ち負ける。

 

9R ブラッドリーのボディブローでリオス ダウン。立ち上がったが再度のボディブ

   ローでリオス2度目のダウン、TKOで敗れた。ブラッドリーのコンデションは極

       めて良く、スピードとパンチの切れ、回転の速さも申し分なく、リオスは全く対

       抗出来ずに敗れた。

 

試合までのコンデションづくりにリオスは失敗し、無理な減量に苦しんだようで、見る

からに身体が出来ていなかった。今回のリオスはこのクラスで闘うのは無理なのではないかと思わせたし、あのタフネスを誇り又頑張り屋のリオスの無抵抗振りは長年に亘る打たれ続けた結果でもあるのではと思わせた。

WBC ミドル級タイトル・マッチ ミゲール・コット vs サウル・カネロ・アルバレス      (2015年11月22日)

会場 ネバダ州ラスベガス マンダレイ・ベイホテル&カジノ イベントセンター

                         (2015年11月22日)
当日のメインイベントである。 WBC ミドル級タイトルマッチ。 


ミゲール・コット(プエルトリコ)35歳、戦跡 44戦40勝33KO 4敗、全勝街道を驀進してきたが1階級上の人間風車アントニオ・マルガートに終盤逆転のKO負けで初の1敗。


パッキャオは2階級下であったが、一方的に打ちのめされて11R KO負けしたが、その後は再び勝ち続けたがメイウェザーとオースチン・トラウトに連敗しコット時代も終わったかと思われたが、驚異の男セルシオ・マルチネスをKOに下して復活。WBC王座となり4階級王者となって3連続KO中である。


この試合に際し、ファイトマネーの3%をWBC団体に上納するのに難色を示して、タイトルを剥奪されたことから、コットが勝ってもタイトルを得ることは出来ないが、アルバレスが勝てばアルバレスがタイトルを得る事となった。


対戦者 サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)25歳、戦跡 47戦45勝32KO 1敗1分、前WBA、WBC S・ウェルター級チャンピオン。

2013年9月メイウェザー戦に敗北してタイトルを失った。カネロはニックネームでシナモン(ニッキ)のことで髪の色から名付けられたもの。


ファイトマネーはコット18億、アルバレス6億である。
ビックファイトである事は、イベンダー・ホリフィールド、バーナード・ホプキンス、ローマン・ゴンザレス、テレンス・クロフォード、ゲンナディ・ゴロフキン等錚々たる人達が詰めかけていたことからも知れる。


1R~2R コットはガードを固めて左ジャブを多く突き、アウトボクシングでアルバレ

  スの強打を躱して闘う作戦のようである。


3R アルバレス、攻勢を強めて力強いパンチを振い優位に立つ。


4R~5R アルバレスの威力あるパンチがガードの上ではあるがコットを追いつめる。


7R アルバレスの右アッパー強烈、コットの動きがやゝ鈍る。


8R アルバレスのテンポアップでコット弱ってくる。 


9R~11R コットは再び足を使ってアウトボクシングに徹し、ガードを固めて、

  左ジャブを多く使い、手数でポイント狙いに作戦を再構築しペースはコット

  に移りつゝあるようにみえ・・


12R アルバレス追い上げを図りコットもこれに応えて激しい打ち合いに持ち込まれ

   たが、コット何とか持ち堪えて終了。


判定は微妙と思われたが117:111、119:109、118:110。大差の判定でアルバレスのタイトル獲得となった。これで2冠である。


コットはタイトル剥奪にも拘らず、良く準備して対策も練り、計画通りの闘いをみせたが、足を使いながらの繰り出すパンチに充分な力がこもらず、威力がなかったのはやむを得まい。


体力的にもパンチ力にもアルバレスは数段上にあったことは歴然としていて、ガードの固さも試合運びの巧さも、これに抗しきれなかった。

アルバレスの体力、パンチの凄みは誠に惚れ惚れとする程であったが、特に左右アッパーの切れ味は抜群。


また意外にも防御術も実に巧みで、まともに相手に打たせないテクニックも相当なもの。試合後に顔に傷一つないのは毎試合の事である。
ただし、アウトボクシングする相手の対策が不十分で、今後巧い相手に苦戦する事であろう。敗れたメイウェザー戦、辛勝したエリスランディ、ララ戦、今回の後半のコット戦と弱点を示し続けている。


15連続KO防衛中のゴロフキンの、相手を追い込んで動きを止める戦い方を勉強して、早く見につけて欲しいものだ。


何しろボクシング界きっての逸材で、技術、体力、パンチ力、風貌何れもスターとなる条件満載の、花のある選手であるのだから。


WBC S・フェザー級タイトル・マッチ チャンピオン三浦隆司 vs フランシスコ・バルガス    (2015年11月22日)

会場 ネバダ州ラスベガス マンダレイ・ベイホテル&カジノ イベントセンター

                            (2015年11月22日)
WBC S・フェザー級タイトルマッチ
チャンピオン 三浦 隆司(日本)31歳、戦跡 33戦29勝22KO 2敗2分、5度目の防衛戦、ニックネームは「ボンバーレフト」 サウスポー。


挑戦者 フランシスコ・バルガス(メキシコ)30歳、WBC 1位の指名挑戦者、ニックネームは「盗賊」


1R バルガスのオーバーハンドの右フックで三浦ダウン寸前、その後の集中打で

       グロッキーとなるが何とかゴングで救われる。


2R~3R バルガスの攻撃が続くが三浦何とか持ちこたえ反撃し少しづつ立ち直る。


4R 三浦、バルガスのボディーを集中的に攻めたあとの左ストレート、顔面にヒッ

      ト、 バルガス ダウン.


5R バルガス反撃するが主導権は三浦に。


6R~7R バルガス、手数を増やして対抗するが三浦の優勢は変らない。


8R 終盤三浦のラッシュでバルガス ダウン寸前に追い込まれる。


9R バルガス必死の反撃、打ち合いの中、右フックで三浦ダウン。その後の集中打で

  レフリーストップ。


三浦は痛恨の逆転負けで5度目の防衛に失敗。その原因は、攻撃の際に上体を揺すって動く標的とする事を怠った事にある。その為にバルガスの右を受け続けたことからダメージを蓄積させていった。


バルガスは三浦の左ストレートの為に右目の上、下を負傷し、腫れ上がって試合続行が

危ぶまれたが、反撃することを止めることなく、不屈の闘志で逆転を呼び込んだもので

ある。

S・バンタム級10回戦 ギジェルモ・リゴンドー vs ドリアン・フランシスコ          (2015年11月22日)

会場 ネバダ州ラスベガス マンダレイ・ベイホテル&カジノ イベントセンター

                         (2015年11月22日)       
S・バンタム級10回戦。
ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)35歳。戦跡 15戦全勝10KO。

シドニー、アテネの五輪チャンピオン 前WBAスーパー、WBOの2団体チャンピオンであったが2014年12月31日の試合以来、対戦なく、不活発としてWBOはタイトル剥奪、WBAは休養チャンピオンに降格させた。ニックネームは「ジャッカル」、サウスポーである。

 

対戦者 ドリアン・フランシスコ(フィリピン)33歳、戦跡 32戦28勝22KO 3敗1分。


1R リゴンドー 右リードパンチで試合勘を取り戻すべく静かに立ち上る。

   

2R 両者殆ど手を出さず・・3R リゴンドーの左ストレートのカウンター当り始める。

 

3R~4R リゴンドーの左ストレートでフランシスコぐらつく。フランシスコはリゴ

  ンドーの左ストレートのカウンターの早さとテクニックに振り回されて、対応で

  きない。

 

5R リゴンドー 倒しにかゝり攻撃を強めたがフランシスコの強い右フックがガードの

   上を叩いたことから一転してリゴンドーは攻勢を止め、防御に専心する。

 

6R~10R リゴンドーは勝利に重点を置いて試合を組み立て、右リードと左カウンタ

  ーを有効に使い、アウトボクシングに徹して闘う為に、フランシスコは追いかける

  がパンチは全く当らないまゝ終了。

 

判定は97:93を始め100:93等リゴンドーの圧勝であったが、5Rあたりから観客のブーイングが激しくなり、もっとエキサイティングな試合を望んだが、リゴンドーはどこ吹く風と聞き流し、自分のスタイルを変えようとはしなかった。

確かにそのカウンターの鋭さや出入りの巧みさ、距離の取り方、足さばきの良さ、目のよさと、テクニックの高さと、身体能力には目を見張るものがあるが「観客を喜ばす」という集客力としては疑問符つく。


チャンピオン時代、その試合振りに相手になる選手が敬遠し、マスコミも喜ばない為になかなか試合が組まれない状態が続いたのであるのも頷けるところである。


その理由の1つに必ずしも打たれ強くないこともある為に、慎重に闘うこともあると思われるが、いずれにしてもボクシング界の中でも傑出している選手の1人であることに異論はないところだ。

 

WBO S・ライト級タイトルマッチ チャンピオン テレンス・クロフォード vs デイエリー・ジャン  (2015年11月16日)

会場 ネブラスカ州 オハマ センチュリーリンク センター   (2015年11月16日)

WBO S・ライト級タイトル・マッチ。 

チャンピオン テレンス・クロフォード(米)28歳、戦跡 26戦全勝18KO、ニックネーム「ハンター」、2階級制覇チャンピオン。
クロフォードは実力者ユリオルキス・ガンボアと全勝対決で4度のダウンを奪って圧勝、一気にスターダムにのし上がった。スイッチヒッターである。


挑戦者 デイエリー・ジャン(カナダ)33歳、戦跡 30戦29勝20KO 1敗。

1敗はレイモンド・ピーターソンに判定敗け(タイトマッチル)、ニックネームは 「ALL IN」(万能)


1R 両者早く長いジャブで立ち上る。終盤クロフォード、左構えにスイッチ、直後

      ジャンの右フックにカウンターの右フックでジャン ダウン。


2R 相手がサウスポーに苦手意識があると見たクロフォードは以後サウスポーで一貫

   する。


3R クロフォードの左構えにジャンの得意の右ストレートの距離が遠くなり、右ス

      トレートが出なくなり、主導権は完全にクロフォードのものとなる。

 

4R ジャンは気分的にもクロフォードに押されて後手後手に廻り、後退りを始める。

  

5R クロフォード攻撃をスピードアップ。


6R~7R クロフォード一段と攻撃を強めて、一方的形勢となってくる。

 

9R クロフォード倒しにかゝり、ジャンが攻撃に頭を下げすぎてダッキングのところ

   後頭部にパンチを受けて、ジャン ダウン。


10R クロフォードの攻撃は最終盤を迎え、集中打でジャンがロープダウンしたところ

        でレフリーストップ、TKOでクロフォード完勝、2度目の防衛を果たした。


このクラスはプロポドニコフやカーン、マティセ等の強豪がひしめいており、統一戦が楽しみである。 


WBA S・ライト級王座決定戦 エイドリアン・ブローナー vs カビブ・アラクベルディエフ       (2015年11月9日)

会場 オハイオ州シンシナティ USバンク・アリーナ  (2015年11月9日)
WBA Sーライト級王座決定戦。 エイドリアン・ブローナー(米)26歳。

戦跡 33戦30勝22KO 2敗1無効試合。元3階級王者、マルコス・マイダナに初の1敗のあと突進力のあるショーン・ポーターに2敗目を喫してやゝ翳りがみえてきたところで、踏ん張りどころである。ニックネームは「プロブレム」(問題児)。


対戦者 カビブ・アラクベルディエフ(ロシア)32歳。 

戦跡 20戦19勝9KO 1敗、サウスポー。


1R ブローナー、例によってL字ガードで相手の出方を窺う。


2R カビブは前に出てプレッシャーを掛けるが手は出ない。ブローナーのアッパーが

   怖い為だ。ブローナーはいつもの通り待ちのボクシングで相手が打ってきたとこ

   ろへ、右ストレート、アッパーを合わせる考えだ。


3R   カビブはブローナーをロープに詰めて攻撃を仕掛けるが、ブローナーのパンチの

   強さに防御優先の気持ちが拭えずパンチに力が無い。


4R カビブが懐へ入ってくるところへ、ブローナーの早く強い右ストレート、アッパ

   ーが飛んでくる場面が次第に多くなる。


6R カビブが接近するところへブローナーの右アッパーと右ストレートで、カビブぐら

   つく。


7R ブローナー、左ジャブを多く突いて相手をコントロール、時折の右ストレート、

   アッパーが決まり始めて、一方的な展開となってくる。


8R ブローナーにすっかり余裕が出てきて、試合中に解説席のポール・マリナッジと

   やりあう。


10R  ブローナーはやりたい放題となり、R終了時にリラックスしてリングで踊る。


12R 倒しにかかったブローナーの一方的攻撃にレフリーストップ。TKOにカビブを下

        してチャンピオンとなり4階級制覇を成し遂げた。


ブローナーはS・ライト級が彼に一番合っている階級とみえて、スピードも攻撃力も完璧で完全復活とみえた。
懸念すべきは、相手をなめて掛かる事と、相変らずの待ちのボクシングであることで、今回の特徴のない選手ではなく、タフで突進力のある選手に対抗出来る力が残る材料である。


ミドル級12回戦 ピーター・クイリン vs マイケル・ゼラファ                (2015年11月2日)

会場 アメリカ コネチカット州 マシャンタケット フォックスウッズ・リゾート                                                                                   (2015年11月2日)
ミドル級12回戦 ピーター・クイリン(米)32歳、戦跡 32戦31勝22KO 1分。

WBO元王者。前回の防衛戦でアンディ・リーと対戦したが制限体重オーバーで、タイトル剥奪された。尚当日の試合でリーと引き分けている。名誉挽回の一戦である。

ニックネームはキッドチョコレート


対戦者 マイケル・ゼラファ(オーストラリア)23歳、戦跡 18戦17勝9KO 1敗、ニックネームは「プリティ・ボーイ」、ご存知メイウェザーの以前のニックネームである。


1R クイリン早い左ジャブをリズミカルに繰り出し調子の好さを窺わせる。


2R ゼラファ、クイリンの強打を警戒し足を使って距離をとり、時折反撃。


3R 距離が遠くクイリンのパンチが届かない。


4R クイリン思い出したように左ジャブを突き始める。


5R クイリン強引に前に出るところゼラファ引かずに打ち合いに応ずるが、クイリン

   の右ストレートが決まり、そのまゝKOとなる。


クイリンの次回の相手はダニエル・ジェイコブズでKO必至の試合となるが、総合力でジェイコブズの勝利は動かないところであろう。


S-ライト級 10回戦 アントニオ・オロスコ  vs  ウンベルト・ソト                2015年10月26日

会場 カリフォルニア州カーソン・スタブハブ・センター   (2015年10月26日)
S・ライト級10回戦

 

アントニア・オロスコ(メキシコ)27歳、戦跡 22戦全勝15KO 。 ニックネームは「リレントレス」、WBC11位、IBF3位。

 

ウンベルト・ソト(メキシコ)35歳、戦跡 76戦65勝35KO 8敗2分1無効試合。
元3階級制覇チャンピオン フェザー、Sフェザー・ライト、ニックネームはソリタ(狐)。 2012年年マティセにTKOで敗れたがその後連勝中。

 

1R オロスコ前進圧力をかける。ソト前進を止めるべく手数を多く出す。

 

2R 両者主導権を争って激しく打ち合う。オロスコは接近して左右フックとアッパー

  を顔面、ボディーに打ち分ける。左ジャブと右ストレートとはほとんど使わない。


3R オロスコはソトのテクニックを力で抑え込む作戦であるが、ソトこれを巧みにか

   わす。
4R オロスコはソトの動きを止めるべくボディーを重点的に狙う。


5~7R ソトはオロスコの体力と若さに次第に劣勢となってくる。


8R オロスコはこのR足を使ってアウトボクシングをみせる。


9R オロスコのボディブローでソト ダウンするが、これがローブローと判定でオロス

   コ減点1。
10R ソト、スリップダウン、オロスコのボディブローがかなり効いているようだ。

 

判定は98:91、97:92が2人でオロスコの勝利。これでタイトル挑戦が近づいてきたが、左ジャブと右ストレートとがなく、接近して左右フックとアッパーを振り回すスタイルでは前途多難とみた。ソトに選手生命の終りが近づく。

 

WBC Sーライト級王座決定戦 ビクトール・ボストル vs ルーカス・マティセ              2015年10月26日

会場 カリフォルニア州カーソン・スタブハブ・センター 2015年10月26日
WBC Sライト級王座決定戦。

チャンピオンのダニー・ガルシアが体重苦の為に王座返上してウェルター級に転進となったことで空位となり王座を争う。


ビクトール・ポストル(ウクライナ)31歳、同級1位、戦跡 27戦全勝11KO、ニックネームは「アイスマン」、名コーチののフレディ・ローチがついている。


ルーカス・マティセ(アルゼンチン)33歳、戦跡 41戦37勝KO 3敗1無効試合、同級2位 ニックネームは「マシン」2012年9月1日に暫定王者となっているが2年振りの返り咲きを狙う。3敗の相手はザブ・ジュダー、デボン・アレキサンダー、ダニー・ガルシアと何れも錚々たる面々である。あのルスラン・プロポドニコフを2:1の判定で下して今回の王座決定戦を迎えた。


1R ポストルは長身を利して早い左ジャブで距離を取る。


2R マティセ圧力をかけて接近を図るが、ポストル出鼻を叩いてマティセの接近を許

   さない。


3R マティセはポストルの左ジャブが邪魔で自分の距離が掴めない。ポストルの作戦

   は左ジャブを絶えず突き、機をみてコンパクトな右ストレートを打ち下ろし、接

       近させるとクリンチで防ぐことに決めているようだ。


4R ポストルは次第に動きもスムーズになり足も速く、自分の得意の距離を保ち、

       左 ジャブは的確で、右ストレートも時に繰り出す。打っては離れ、時にマティセ

       にプレッシャーを掛ける。


5R ペースは完全にポストルに。懐が深く絶えず出される左ジャブにマティセ自慢

      のパンチが全く当らない。


6R マティセ攻撃を強めて打って出ると、マティセ ファンの多い観客がわく。


7R マティセこれまでの劣勢を挽回すべく一段と攻勢をかけるがポストル足を使って

       攻勢を躱すし、終盤集中打で反撃。


8R   ポストルの手数が多くなり、ショートパンチの威力が増して、マティセは攻撃前

       に出鼻を叩かれ続ける。


9R ポストルの左ジャブ、右ストレートが悉くヒット、マティセ自信喪失の感あり。


10R  ポストル足を使って動きながら突如のショートストレート、マティセの眼にヒッ

       トでマティセ ダウン。そのままマティセ勝負を諦めてKOとなる。


番狂わせの一戦であるが、マティセはポストルの戦跡と年齢から軽く見て試合に臨んだ感あり。従来から速い選手に苦戦することが幾度かあったが今回もこれを克服できなかった。ポストルはクリチコのような戦術と打たれ強さは、クリチコを上廻っており90年代Sフェザー級で12回防衛したヘナがエルナンデスに良く似た選手で、誰が対戦しても攻略するのは難しい選手に思われ、地味ではあるが以外に長期政権を築くかも知れない。

WBA、WBC、IBF 3団体統一ミドル級タイトルマッチ ゲンナディ・ゴロフキン vs デビット・レミュー 2015年10月19日

 会場 ニューヨーク  マデソン・スクェア・ガーデン ( 2015年10月19日 )

 

WBA 、WBC、IBF  3団体統一ミドル級タイトルマッチ。
ゲンナディ・ゴロフキン  WBA, WBC チャンピオン  ( カザフスタン )33歳。 

戦跡 33戦全勝30KO  ニックネームは G ・ G ・G  ( グレイト・ゲンナディ・ゴロフキン)  目下14連続KO中 ( タイトル獲得後 )


対戦者 デビット・レミュー    ( カナダ  ) 26歳、戦跡 36戦34勝31KO  2 敗。

ニックネームは ( カナダのタイソン )
 
1R   ゴロフキン 左の早く強いジャブで自分の距離をつくり主導権をにぎる。


2R   ゴロフキン 左ジャブを多用、悉く相手の出鼻をとらえ、相手の突進を許さない。

  そのままプレッシャーを掛ける。
3 ~ 4R   ゴロフキンの左ジャブはレミューの出鼻をとらえるので、レミューは自分の

  距離が掴めずに無理して振るうパンチは届かない。レミューの出るところ、ゴロフ

  キンはバックステップで射程距離に入らない。


5R   ゴロフキンは無理押しせずに、出すパンチもさほど力をいれず、 左ジャブで起こ

      されたレミューが無理して出るところへ、左アッパーのボディブローでレミュー 

      ダウン。立ち上がったところへゴロフキンの連打でレミュー   ダウン寸前。
6R  ゴロフキン、無理をせずに丁寧に 左ジャブを突くが、レミュー  ジャブで足もと

      ふらつく。


7R   レミュー、ドクターチェック入る。 鼻血と顔面のはれ激しくなる。ゴロフキンは

       距離を測ってスピードとタイミング主体のパンチを繰り出す。


8R   ゴロフキン倒しに掛り、集中打でレフリーストップ。TKOに強敵レミューを下す。

 

これで15連続KOでウィルフレド・ゴメスの17連続KO に近づく。
レミューも強打者であるが、ボクシングの格の違いをまざまざとみせた。

レミューは力にまかせたパンチを振るうが、組み立てがないためにゴロフキンの左ジャブの餌食となり、自慢の強打も上体がジャブで起こされては威力が半減した。

 

この試合はジャブだけでもゴロフキンの完勝であったろう。ゴロフキンはレミューを弱らせる為に、前かゝりとなるレミューにカウンターとなるストレートのようなジャブとボディ打ちでレミューの戦力を削ぎ、万一パンチを受けても半減した威力では恐るるに足らない。
パンチも強振することなく冷静、的確にヒットさせ、力を入れた割合は2割もなかったのではないかと思われた。

総ての面でレミューの勝つ見込みはなかったのである。


ちなみにリングマガジン社の パウンド・フォー・パウンド は以下の通り
      1 位    ローマン・ゴンザレス         ( フライ級  )
      2  位    アンドレ・ウォード            (  S-ミドル級 )
      3  位    セルゲイ・コバレフ            (  L - ヘビー級 )
      4  位    ゲンナディ・ゴロフキン      (  ミドル級  )
      5  位    ギジェルモ・リゴンドー      (  S -バンタム級 )
      6  位    ウラジミール・クリチコ     (  ヘビー級  )
      7  位    テレンス・クロフォード      (  S - ライト級 )
      8  位    マニー・パッキャオ           (  ウェルター級  )
      9  位    山中  慎介                        (  バンタム級  )
    10  位    ケル・ブルック                 (  ウェルター級  )

 

 連続KO 防衛記録
   1 位   17   ウィルフレド・ゴメス (プエルトリコ)     S -バンタム級
   2 位   15   ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)   ミドル級
   3 位   14   ダリウス・ミハエルゾウスキー ( ポーランド )           L -ヘビー級
   4 位   10   ロベルト・デユラン ( パナマ )                ライト級
            10   ナジーム・ハメド ( イギリス )                フェザー級
   6 位     9   ヘンリー・アームストロング  (アメリカ) ウェルター級
              9   カルロス・サラテ  ( メキシコ )             バンタム級
              9   フェリックス・トリニダート( プエルトリコ ) ウェルター級

フライ級 タイトルマッチ チャンピオン ローマン・ゴンザレス  vs  ビライアン・ビロリア          2015年10月19日

会場  ニューヨーク  マデソン・スクェア・ガーデン   ( 2015年10月19日 )
フライ級タイトルマッチ
チャンピオン  ローマン・ ゴンザレス  (ニカラグア ) 28歳。
戦跡  43戦全勝37KO、3階級制覇チャンピオン。


挑戦者  ビライアン・ビロリア ( 米 ) 34歳 、 戦跡36戦34勝22KO  2敗
ニックネームはハワイアン・パンチ 。 2階級制覇チャンピオン


1R   ビロリアはゴンザレスを前に出されると勝機はないとばかり先制攻撃をかけ、積

   極的に打ってでる。ゴンザレスは高いガードでこれを受け止める。


2R   ゴンザレス、プレッシャーを掛け始め、手を出し始める。左アッパーのボディー

   ブローが強烈。
3R   ゴンザレスのカウンターでビロリア  ダウン。立ち上がったところへゴンザレス

   攻撃をまとめるが、ビロリアも必死に反撃。


4R   ゴンザレスは精力的に間断なくパンチを出し続け、ビロリアも守勢の中で時折り

   反撃。


5R   ゴンザレスは弱ってきたビロリアを休ませることなく攻撃を止めない。

   大勢はすでにゴンザレス。 


6R   ゴンザレス 攻撃のギァを一段階上げてくる。ビロリアも何とか一方的試合とな

       ることを避けるために必死にパンチを繰り出すが、有効打とならず。


7R   ビロリアの顔面が傷ついてくる。ゴンザレスは徐々に力を強めて

8R   倒しにかかり

9R   医者がビロリアにチェックが入る。そのあと更にギアチェンジをしたゴンザレス

       の猛攻に、レフリーストップ。


ビロリアも良く鍛えてコンデションは最高に仕上げてきたことが窺われ、最後までスピードが衰えない好試合であった。
試合後のゴンザレスの顔面はほとんど傷ついていなかった。
3度めの防衛を果たす。

WBA ヘビー級 暫定王座決定戦 ルイス・オルティス vs マティアス・アリエル・ビドンド      2015年10月19日

 会場   ニューヨーク  マデソン・スクェア・ガーデン     ( 2015年10月19日 )

 

WBA  ヘビー級暫定王座決定戦。

ルイス・オルティス  ( キューバ ) 36歳 同位8位。

戦跡 24戦22勝19KO 2無効試合。サウスポー


対戦者 マティアス・アリエス・ビドンド  (  アルゼンチン )

 

1R   オルティスは右ジャブでコントロールして、左ストレートを打ち込むタイプ。


2R   オルティスの左ストレートから返しの右フックでビドンド  ダウン。


3R   オルティスの左ストレートでビドンド  ダウンそのままKOとなる。


力の差がありすぎた。

ヘビー級10回戦 ドミニク・ブリージール vs フレッド・キャシー            2015年10月12日

 会場 アラバマ州バーミンガム  レガシー・アリーナ     (2015年10月12日)

 

ヘビー級10回戦
ドミニク・ブリージール (米)30歳 、  WBC 25位 。戦跡 15戦 全勝 14 KO。

対戦者 フレッド・キャシー  ( カメルーン ) 36歳、戦跡 22戦18勝10KO 3敗1分。


1R   ブリージール  体力を生かして前に出てプレッシャーを掛ける。
    キャシーはサウスポーであるが、スイッチヒッターである。


2R   キャシーは相手の出方をみて時折飛び込んでパンチを振るう。


3R~4R ブリージールの圧力にキャシーは変則スタイルで対抗。防御感も良く、

  まともにパンチは食わない。


5R  ブリージールの左右フックが当たるが、キャシー巧みに芯を外す。


6~10R ドミニクの圧力に押されてキャシー体力差の為に次第に劣勢となる中で終了。

 

判定は 97:93、98:92、100:90でブリージールの勝利となったが、キャシーはやりにくい相手で、パンチがほとんど当たらなかった。ブリージールは期待の選手ではあるが、スピードがなく、パンチ力もいまいちで大成は望めない。

WBC ヘビー級タイトルマッチ チャンピオン  デオンティ・ワイルダー vs ヨハン・チュオバ  2015年10月12日

②  会場  アラバマ州バーミンガム  レガシー・アリーナ    (2015年10月12日)


WBC  ヘビー級タイトルマッチ。

チャンピオン  デオンティ・ワイルダー( 米 ) 29歳。戦跡 34戦全勝33KO、2度目の防衛戦。 ニックネームは「 ブロンズ・ボマー」 

 

 挑戦者  ヨハン・チュオバ  ( フランス ) 34歳、戦跡 33戦31勝19KO 2敗、ニックネームは「爬虫類」。

 

1R  チョオバ  ガードを固めて接近戦を挑みロープにワイルダーを追い込む。

  ワイルダーは左ジャンプで止めようとするが止められない。


2R  チュオバはワイルダーの距離を潰しにかかり、一貫して接近戦にもちこむ。

  ワイルダーの左目下腫れ始める。


3R   ワイルダー 左右フックの集中打を浴びせるがチュオバ全てガードで受け止める。


4R   チュオバ攻勢に出る。
5~9R   ワイルダーは機を見てチュオバをロープにつめて、左右フックの集中打浴びせ

  るがガードを崩すまでには至らない。


10R   ワイルダー  ギァチェンジを行って力を込めた連打でチュオバをダウン寸前に追

   い込む。

 

11R   開始早々の集中打でレフリーストップ。

 

ワイルダー二度目の防衛を果たす。

チュオバのガードの固さはワイルダーの攻撃を食い止める為の効果はあったが、攻撃力に力を振り向けることが出来ずに敗れた。
ワイルダーはこの試合で、パンチの威力だけでなく後半まで、スピードもスタミナも衰える事がないことを証明したし、防衛も思ったよりも巧みであることが分かった。
今後益々猛威を振るうことになりそうな勢いである。 

WBC S・バンタム級暫定王座決定戦 ウーゴ・ルイス vs フリオ・セハ               2015年10月5日

会場 カリフォルニア州 ロスアンゼルス スティープルズ・センター 

                                   (2015年10月5日)

WBC S・バンタム級暫定王座決定戦

ウーゴ・ルイス(メキシコ)28歳、 戦跡 37戦35勝31KO 2敗。

 

対戦者 フリオ・セハ(メキシコ)22歳、戦跡 30戦29勝26KO 1敗。 同位3位

 

1R セハは10㎝以上背が低い為に接近し内懐に入って連打する得意の形に持ち込みたいがルイスに長いジャブで出鼻をくじかれて主導権を奪われる。

 

3R 1Rからタイミングの合っていたルイスのカウンターのショート左フックでセナ ダ

   ウン。立ち上がったところへルイス猛攻、集中打で倒しにかゝったがセハ何とか

       持ちこたえる。

 

4R セハは攻勢に出て接近戦を挑むことで、相手の攻撃を防ぐべく積極的に前に出る。

 

5R セハの入ってくるところへルイスのカウンターが面白いように当り、ペースは完

       全にルイスにあったが、打ち合いの中セハの左フックのカウンターがヒットし、

   ルイスのまさかのダウン、立ち上がったところへセハ連打をまとめて、レフリー

   ストップ。逆転でセハ王座に着くが、あれだけ打たれていたのではセハの今後は

       ない。

ウェルター級  10回戦  エロール・スペンス vs クリス・ヘーデン                                                     2015年10月5日                  

会場 カナダ オンタリオ州 トロント リコー・コロシアム    (2015年10月5日)
             

ウエルター級10回戦 
エロール・スペンス(米)25歳 戦跡17勝全勝14KO メイウェザープロモーション所属のスーパースター候補の一人である。

 

対戦者クリス・へーデン(南アフリカ)28歳、戦跡25戦23勝12KO 1敗1分、ニックネームはTHE・HEAT(熱い男)
両者サウスポーである。
スペンスは評判通りの基礎のしっかりした、美しいスタイルのボクサーで、右ジャブを多く出し、正確で早い。

 

2R 対するへーデンは両手を下げぎみにリラックスを心掛けてか打ちやすい構えで、

      多少打たれても体力で勝負する作戦のようだ。

 

3R へーデンは接近戦で相手の動きを止めたいところだが、スペンスは自分の距離を

       保ち、時にインファイトに持ち込み、自在のボクシングを転開、ボディー打ちが

   強烈でへーデンの動きが鈍ってくる。

 

4R ボデーを攻撃されたへーデンはマウスピースを2度落とし減点1をとられる。

 

5R スペンス左右のフックをボディーに返すパンチで左右フック、アッパーと一方的

  になってきた。

 

7R スペンスはパンチに力を込め始めて、攻撃に激しさを増し、へーデン ダウン。

   次いで左アッパーボディーで2度目のダウン。

 

8R へーデン ロープに詰って一方的に打たれたところでレフリーストップ、TKOでス

   ペンスの勝利。

 

あと1~2試合でタイトルマッチとなるであろう。
ボクシングもきれいで防御勘もよく、パンチも切れるがルスラン・プロポドニコフや、ショーン・ポーターのように突進力とスタミナがあり、パンチ力のあるボクサーに対抗出来る程には線が細すぎないかと不安が残る。

WBC L・ヘビー級タイトルマッチ チャンピオン アドニス スティーブンソン vs トミー・カーペンシー  2015年10月5日 

会場 カナダ オンタリオ州 トロント リコー・コロシアム    (2015年10月5日)
             

WBC L・ヘビー級タイトルマッチ


チャンピオン アドニス・スティ-ブンソン (カナダ)37歳
戦跡 27戦26勝21KO 1敗、ニックネームはスーパーマン。


挑戦者 トミー・カーペンシー(米)29歳、戦跡30戦25勝14KO 4敗1分、ニックネームはクリプトナイト(スーパンマンが苦手としている鉱石の名)

共にサウスポー。


1R カーペンシーは右のガードを高々と揚げて、スティ-ブンソンの左を極度に警戒し

       て始まる。


2R カーペンシーが右を出したところにスティ-ブンソンの左ショートが当たり、カー

       ペンシー ダウン。


3R 開始早々左ボディーから左ストレート顔面でカーペンシー ダウン。そのままレ

       フ  リーストップでスティ-ブンソン6度目の防衛に成功した。


ボクシングファンが待望するのはWBA、IBF、WBOの3団体に君臨する無敗の強豪コバレフとの一戦である。


WBA S・ミドル級暫定王座決定戦 ビンセント・フェイゲンブリッツ vs マウリシオ・レイノソ    2015年10月5日

会場 ドイツ  ハレ  ゲリー・ウェーバー・スタジアム    (2015年10月5日)                                             
WBA S・ミドル級暫定王座決定戦。
WBA7位 ビンセント・フェイゲンブッツ(ドイツ)19歳。戦跡 20戦19勝18KO 1敗。

 

対戦者 WBA6位 マウリシオ・レイノソ(ペルー)38歳。戦跡 17戦15勝11KO 1敗1分

 

1R フェイゲンブッツはガードを高く掲げて相手の攻撃を総て、このガードで受け止

       めて、正面から攻める正直な選手である。

 

2R 大きな右スイングぎみのフックでレイノソ ダウン。

 

3R 右フックが顔面にヒットでレイノソ ダウン。次いでの右フックで2度目のダウン。

       レフリーストップでドイツの注目選手が新チャンピオンとなる。

 

フェイゲンブッツはかってのドイツを主戦場としたポーランドの名チャンピオン ダリウス・ミハェルゾウスキーによく似たスタイルであるが、ミハェルゾウスキーは、ストレートパンチャーで、かつガードは鉄壁であったがフェイゲンブッツはこれに遠く及ばない。

 

WBA フェザー級スーパーチャンピオン決定戦 レオ・サンタ・クルス vs アブネル・マレス        2015年9月28日

会場 カリフォニア州ロスアンゼルス、ステーブルズ・センター (2015年9月28日)


WBAフェザー級スーパーチャンピオン決定戦。

レオ・サンタ・クルス(メキシコ)27歳。戦跡 31戦30勝17KO 1分 ニックネームはテレモト(地震)、現WBC Sバンタム級チャンピオン。


対戦者 アブネル・マレス(メキシコ)29歳。戦跡 31戦29勝15KO 1敗1分、元3階級制覇チャンピオン。


1R マレス先制攻撃を仕掛けてロープに詰めて集中攻撃を行う。


2R お互いの意地をかけて激しく打ち合うが、両者防御感良くクリーンヒットはない。


3~4R 両者手数は負けずに多く出すが、一進一退。


5R サンタ・クルスは体力に優れており次第にマレス押される。


6R マレスは体力差をカバーすべく相手の内懐に入り込む作戦である。


7~12R お互いに一歩も引かずに最後まで打ち合うがサンタ・クルスの方がパンチは

  的確で優位のまゝ終了。


判定 114:114、117:111が二人でサンタクルス勝利。


サンタ・クルスは手が長くガードを高く揚げると、顔からボディーまで完全にカバーするが、それでも肩を柔らかくしており、手数が多く打ち出すと止らない。

パンチ力にやゝ物足りなさを感ずるが、このクラスでも何とかやっていけそうである。


マレスは良く戦ったが以前のテクニシャンからファイターにスタイルが変っており、力強さは増したが、柔らかさと、巧みさはやゝ失われて来ており、このクラスでは体力的にも難しいのではと思われる。(写真2枚)

S・フェザー級10回戦 ジョニー・ゴンザレス vs ジョナサン・オケンド                2015年9月28日

会場 ネバダ州ラスベガス・MGMグランドガーデン・アリナー (2015年9月28日)

S・フェザー級10回戦 

ジョニー・ゴンザレス (メキシコ)33歳、戦跡 67戦58勝49KO 9敗 元2階級制覇チャンピオン、往年の名選手ミゲール・アンヘル・ゴンザレスの長男。


対戦者 ジョナサン・オケンド(プエルトリコ)22歳、戦跡 29戦25勝16KO 4敗。

WBO フェザー級9位。


1R ゴンザレス 右ストレートからの返しの長い左アッパーでオケンド ダウン。

 

2R オケンド積極的に打って出ての右ストレートでゴンザレス ダウン。

   ゴンザレス ダメージ深く立ち上って足許ふらつくが、必死で打ち合う。 


3R オケンドはゴンザレスの長い距離を潰して接近戦に持ち込む。ゴンザレスは未だ

       回復せず。 

4R ゴンザレスの左アッパーは強力だが距離が必要でオケンドはこれを許さず。

 

5~6R ゴンザレスようやく立直ってきて距離がとれパンチ当り始める。


7~8R ゴンザレスは守勢に回るが時折パンチを集めて連打するがペースはオケンドに。


9R バッティングでオケンド左目上を切る。


10R オケンド右構えに時折変え、ゴンザレスを攪乱しつゝ終了。


判定は94:94、95:93、98:90でオケンド勝利。


ゴンザレスは峠を越えたが右ストレート、左アッパー等のパンチは威力あり、スピード感に欠けるが、自分の型を持った選手で試合振りは美しく魅力あるボクサーである。
ただし融通の利かない選手でオケンドのような相手の嫌がる事をやってくる選手は苦手である。


ゴンザレスのスタイルをみてどこかで一度みたような気がしていたがやっと思い出した。
1990年に大橋秀行を倒し、ミニマム級のタイトルを握って1998年まで22回の防衛を果たし、その後ライトフライ級に転向し2試合程で引退した、プロ・アマ通じて無敗で80%のKO率を誇った精密機械とのニックネームはを持つリカルド・ロペスである。


左アッパーの距離のとり方、身体をやゝ反らしての長い距離の打ち方、右ストレートの打ち方、ガードの形も酷似している。但し大きな違いは長くて早い正確な左ジャブと左右フック、アッパーは短い距離でも、長い距離でも自在に使い分け、揉み合いを嫌い、決して相手を内懐に入れなかったこと。ガードを高く揚げ、ウィーピングを欠かさず、ダッキングも入れ常に足を使って、相手との距離を取り、左ジャブで相手をコントロール、相手が頭を下げて入ってくると必殺の長短のアッパーがとんでくる。一部の隙もないスタイリッシュな選手であった。


MBC S・ミドル級タイトル・マッチ                                 チャンピオン パドウ・ジヤック vs ジョージ・グローブス                                                              2015年9月21日

会場  米国 ネバダ州ラスベガス MGMグランドガーデン・アリーナ(2015年9月21日)

 

MBC S・ミドル級タイトル・マッチ  チャンピオン パドウ・ジャック (スウェーデン)

父親はガンビア人、母親はスウェーデン人。

プロ初戦は敗退のあと20連勝中、アンソニー・ディレルに2:1の判定勝でタイトルを獲得、初防衛戦である。

ニックネームは「キリ裂きジャック」、戦跡 21戦19勝1敗1分12KO。

 

挑戦者 ジョージ・グローブス(英)、戦跡 23戦21勝16KO 2敗、この2敗はカール・フロッチに対する2KO敗である。ニックネームは「セント・ジョージ」英で人気絶大。

 

1R ジャック終盤ワンツーのあと右フックの打ち落し決って、グローブス ダウン。

 

2R ダウンを取り戻すべく、グローブス左ジャブを中心に圧力をかける。

 

3R グローブス先手を取って攻めるが、ダウンを奪って余裕が出たが、ジャックの右

   ストレートとのタイミングが合っている。

 

4R ジャックは積極的に仕掛けることなくグローブスの出てくるところに右ストレー

   トのカウンターを狙う。

 

5R ジャックはグローブスのパンチ力を見極めたか、距離を縮めてお互いに打ち合う

       気運が高まる。

 

6-7R グローブスが攻め、ジャック迎え打つ形は変らず。

 

8R ジャックはボディブローを集中、グローブスはこれを嫌がる。

 

9-12R 一進一退で終了。

 

判定は114:113がグローブス、115:111、116:111がジャックで2:1の判定でジャ ックに軍配が上がった。
グローブスは何といっても初回のダウンが痛く、これで試合の流れが決まってしまったようだ。
ジャックはメイウェザーの秘蔵っ子で奇麗なボクシングではあるが、今ひとつ魅力に乏しい。

WBAミドル級タイトル・マッチ                                      チャンピオン ダニエル・ジェイコブス vs セルシオ・モーラ                                                               2015年9月21日

会場 米国 ニューヨーク ブルックリン・バークレイズセンター (2015年9月21日)


WBA ミドル級タイトル・マッチ チャンピオン ダニエル・ジェイコブス(米)28歳。戦跡 30戦29勝26KO 1敗、ニックネームは「ミラクル・マン」。

白血病を克服してタイトルを獲得した苦労人であり、今回が2度目の防衛戦。


挑戦者  セルシオ・モーラ(米)34歳、戦跡 33戦28勝9KO 3敗2分。


1R ジェイコブスの左ショートアッパーでモーラ ダウン、ジェイコブス一気に追い込

  むところ、モーラの左フックで逆にジェイコブス ダウン。


2R 早々、ジェイコブスの右フックでモーラ ダウン、モーラ足を痛めて試合続行不可

   能となり、TKOでジェイコブス勝利。


ジェイコブスの鋭さと強さは改めて云うに及ばないが、アップスタイルでバランス良く、美しいボクシングスタイルであり、見て楽しい選手である。

ミドル級実力者の一角でもある。

ウェルター級12回戦ノンタイトル                                  WBA S・ライト級 チャンピオン ダニー・ガルシア vs ポール・マリナッジ                                             2015年9月21日

会場 米国 ニューヨーク ブルックリン・バークレイズセンター (2015年9月21日)


ウェルター級 12回戦 ノンタイトル。

WBA S・ライト級チャンピオン ダニー・ガルシア(米)27歳。
戦跡 30戦全勝17KO、WBC王座は返上。ニックネームはスイフト(すばしっこい奴)。エリック・モラレス、アミール・カーンを共にKOに下してスターダムにのし上がった。その後はサブー・ジュダー、ルーカス・マティセ、レイモンド・ピーターソンといった実力者を次々に倒し、今やスーパー・スターの一員となる。


対戦者 ポール・マリナッジ(米)34歳、元2階級制覇チャンピオン。

戦跡 39戦33勝7KO 6敗、ニックネームは「マジックマン」。


1R ガルシア無理押しをせず、左ジャブのみでゆっくり相手の出方をみる。


2R ガルシアはマリナッジの動きと挑発に乗らないで、じっくり圧力をかけてロープ

   に追い詰める。


3R ガルシアはマリナッジの早い動きを止めるべくボディ中心に攻める。

   マリナッジの左脇腹赤くなる。


4R ガルシアはまともに当らないことを自覚して、胸を目がけて身体に当てることを

       主体に考えているようだ。マリナッジ左目の上と下をカット。


5R ガルシアは一貫してマリナッジの動きの早さに付き合わずに、無駄にパンチを振

       わず、ボディ中心にパンチを集める。マリナッジの足の動きが少なくなってくる。


6R ガルシアの右フックでマリナッジ ダウン。スリップと判定されるが、ガルシアの

   パンチと体力に距離を潰されて動きがとれなくなる。


7-8R ガルシアのパンチの的中率が高くなってくる。


9R 試合はガルシアの一方的な流れとなり、レフリーストップでガルシアのTKO勝ち。


 ウェルター級トップ戦線
  メイウェザー引退の後、WBA に キース・サーマン、

                                   IBF に ケル・ブルック、

             WBO に ティモシー・ブラッドリー

  が王座に座り、他にマニー・パッキャオ、サダム・アリ、アミール・カーン、

  ショーン・ポーターと控えており、ダニー・ガルシアにとっても易しいクラス

  ではない。


( 現役最後の試合と銘打って )ウェルター級タイトル・マッチ  フロイド・メイウェザー vs アンドレ・ベルト(WBA暫定チャンピオン)             2015年9月13日

会場 米国 ネバダ州ラスベガスMGM グランドガーデン アリーナ(2015年9月13日)

 

フロイド・メイウェザー(米)38歳、戦跡 48戦全勝 26KO。

 

挑戦者アンドレ・ベルト(米)32歳、戦跡 33戦 30勝 23KO 3敗。

 

メイウェザーの2014年の年収は360億円。現役最後の試合と銘打ってウェルター級タイトル・マッチを行った。相手はメイウェザー二世と謳われたWBA暫定王者のアンドレ・ベルトで、無敗の快進撃を続けていたがビクター・オルチスに逆転KOでまさかの敗北の後、耀きを失ったが、また復活しつゝある32歳を選んだ。

 

試合前のファン予想では80:18 2分でメイウェザーが圧倒していた。

試合は1Rから12Rまで終始一貫してメイウェザーのペースで、ベルトの繰り出したパンチ数500以上の中で当ったのは唯一左ジャブ一発だけで、メイウェザー劇場の引き立て役に終り、完全に翻弄されて終わったのである。

 

最後の試合に相応しく、メイウェザーは持てるテクニックを存分に披露し真に美しく舞ってみせた。

メイウェザーにとってベルトに負ける可能性は殆んど0だあると踏んでいた事であろう。

引退試合の相手役として適していると思っただけである。

 

メイウェザーの18年に及ぶボクシング人生は終りを告げるようだが、メイウェザーとはどんな選手だったのであろうか。

 

オリンピックで銅メダル獲得の後プロに転向、1998年10月21歳でSフェザー級の実力者ヘナロ・エルナンデスに挑戦、鼻柱骨折によるエルナンデスの自らの試合中止の申し立てによる8R TKOに下してタイトルを獲得する。

 

当時Sフェザー級にはWBAにホエル・カサマヨル、IBFにディエゴ・コラレス、WBOに全KOのアセリノ・フレイタスが共に全勝で並び、メイウェザーは新参の一人に過ぎなかったが、2001年1月、長身強打のディエゴ・コラレスと対戦。戦前不利の予想を覆して数度のダウンを奪った上に7R KOに下して一躍スターダムに伸しあっがった。

彼の将来にとって決定的となる試合であった。

 

更にメイウェザーが生涯で最大の苦戦を強いられたライト級への転進の一戦、安定政権を築いていたホセ・ルイス・カスティージョとの戦いで、カスティージョの一クラス上のパンチ力と体力に押され続け、大苦戦の末に辛勝(この判定は疑問が残った)。この一戦の後は一段とスピード、パンチ力、スタミナを向上させて、あとは無人の野を行くが如き全勝街道を突っ走ったのである。

2005年6月Sライト級に挑戦したアルツロ・ガッテイ戦を6R TKOに下し、2007年12月、ウェルター級での対リッキー・ハットン戦で衝撃の10R コーナーに詰められたところで放った左フック一発でハットンをTKOに下し、その後はシェーン・モズリー、オスカー・デラホーヤ、ミゲール・コット、ファン・マヌエル・マルケス、ビクター・オルチス、カネロ・アルバレスそして最大の好敵手マニー・パッキャオを15年5月に下して、17年間5階級に亘る世界王者に君臨し続けた。

 

メイウェザーはボクシング界の常識を覆すスタイルを確立。

L字ガードに構え、瞬間移動を行い、目の良さに加え、身体能力の高さ、パンチを含めた総べての分野での群を抜くスピードが相俟って、コーナーに詰まっても、敵のパンチも決して受けないばかりか、鋭いショートパンチを振って、攻撃を行うテクニックの冴えを示す。

離れては長いリーチの早い左ジャブ、突然の左フック、正確な右ストレートと、アッパーと自在にパンチを繰り出し、攻守ともに異次元のスピードに誰一人として対抗することは出来なかったのである。

 

彼は経歴の半ばからKO勝ちに価値をおかなくなったように思える試合が多くなり、各試合の終盤には、観客からその試合振りにしばしばブーイングを浴びせられることが多くなった。

観客の不満は「テクニックの凄さは良く分かった。もっとKOを狙って、真剣に闘ってよ!」と云うものであった。しかし彼は観客の要望に応ずる事なく自己の目指すボクシングを貫徹したのである。

 

メイウェザーの目指すボクシングとは果たして何だったのか。かつてモハメド・アリが標榜した「蝶のように舞い、蜂のように刺す」を完璧にしかも美しくを追求したのではないのか。メイウェザーの力をもってすればKOはさほど困難とは思われない。が・・それを追求する事なく、試合のリングを劇場と化し、ボクシングの美しさを芸術として、一編の作品として表現する。観客の要望も眼中になく、彼にしか解らないボクシングに対する

美学が彼を動かしていたのかも知れない。

 

同じ49戦全勝で引退したロッキー・マルシアノは闘うボクサーとして、KOで勝つことを目的として戦ってきたし、多くのボクサーが同じ気持ちで戦っているが、メイウェザーは彼らと異なる異色のボクサーで、今後メイウェザーのようなボクサーは現われない。

その美しさはまさに完璧なバレエの舞踏のようであった。


Sーミドル級10回戦 フリオ・セザール・チャベスJR vs マルコス・レイエス             (2015年9月7日) 

会場 アメリカ テキサス州 エルパソ、ドン・ハスキンス・コンベンション・センター                                                                                                                                                                                                                (2015年9月7日)


S-ミドル級10回戦 リミッド168ポンドのところ170ポンドでの契約。
フリオ・セザール・チャベスJR(メキシコ)29歳、元WBCミドル級チャンピオン、2012年9月にセルシオマルチネスに終盤ダウンを奪うも大差の判定で初の1敗、タイトルを失っている。父親は100戦以上戦った世界のスーパースターである。
戦跡 52戦48勝32KO 2敗1分1無効試合。


対戦者 マルコス・レイエス(メキシコ)27歳 ニックネームは「ドラド」

(黄金に光る男)、戦跡 35戦33勝 24KO 2敗。


1R レイエス先手を取るべく前に出て攻撃をかける。チャベスは足を使って手を出さ

   ず様子をみる。


2R チャベス一転して攻撃に出て、ボディブロー強烈、彼の得意の武器である。


3R チャベス例によってガードを固めながら前に出て圧力をかける。得意の体力勝負

   に出る。


4R チャベスは接近しての左右フック、アッパーを主として左ジャブはほとんど出さ

   ずストレートも少ない。


5R 一進一退


6R  チャベスはラウンドの終盤、ロープに詰めて猛攻をかける。パンチは切れておらず

  、ドスンパンチである。


7R レイエスはチャベスの体力に押され始め、ロープに詰まったところへ、チャベス

   の左右フックの乱打を受け防戦一方となる。


8R チャベス、7Rの打ち疲れから中休み、レイエスお陰で生き返る。


9R~10R チャベス疲れて攻撃力が鈍り、一進一退のまゝ終了。


判定は97:92、98:91、96:93でチャベス勝利となったが、往年の迫力に欠けパンチにスピードも切れもなく、またスタミナも乏しく、相変らずの打たれすぎも気になり精彩を欠いていた。今後の復活は多難である。


IBF Sーバンタム級タイトルマッチ                                    チャンピオン カール・フランプトン vs アレハンドル・ゴンザレス                                               2015年9月7日

会場 アメリカ テキサス州 エルパソ、ドン・ハスキンス・コンベンション・センター

                            (2015年9月7日)  


IBF Sーバンタム級タイトル・マッチ。

チャンピオン カール・フランプトン (英)28歳。
戦跡 20戦全勝14KO。 長谷川穂積の挑戦をTKOに退けたキコ・マルチネスを下してタイトルを握った。スター候補である。ニックネームはジャッカル。
今までイギリスを主戦場にしてきたが、今回アメリカに舞台を移して行く方針である。


挑戦者 アレハンドロ・ゴンザレスJR(メキシコ)22歳。父親はWBCフェザー級チャンピオンのアレハンドロ・コブリータ・ゴンザレスである。
戦跡 28戦25勝15KO 1敗2分。ニックネームは父親と同じコブリータ(コブラ)、

IBF13位。


1R 主導権を取ろうと前に出たフランプトンの出鼻にゴンザレスの左ジャブでフラン

   プトン、ダウン。ラウンドの終盤、ゴンザレスの右ストレートとの打ち下しで、

       フランプトン2度目のダウン。


2R フランプトン、ダウンを取り返すべく攻勢に出るがパンチは当らない。

       ゴンザレスは手数が少ない。  


3R   ゴンザレスのローブローで減点1、フランプトン、ダウンのダメージから立ち直

      ってくる。

  

4R フランプトンの左ジャブ当り始める。リーチはゴンザレスの方が13cmも長いの

   に、クラウチングスタイルの為に手の長さが有効に活用されていない。

 

5R ゴンザレス、コーナーに注意されたが左ジャブが多くなる。出せば当るし当れば

   あとの攻撃もスムーズになるのにと思うのだが、ラウンドの終盤ペースはフラン

   プトンに。
 
6~7R フランプトンのスピードは一層目立ち始め、完全にフランプトンのペースに。

 

8R ゴンザレス、パンチのスピードも、動きのスピードも失われてきて劣勢を強いら

   れてくる。


9~12R 時折ゴンザレスも良い攻撃をみせるが主導権はフランプトンに。フランプト

   ンは無理をせずにポイントアウトを図って試合を流して終了。


判定は115:109、116:108が2人でフランプトンに上がる。


このクラスはWBAスーパーとWBOにギジェル・リゴンドー、WBAレギュラーにスコット・クイッグ、IBFにフランプトンの各チャンプ、下から上って来た全勝のレオ・サンタクルス、3階級制覇のアブネル・マルス、5階級制覇のノニト・ドネアと多士済々である。


さてフランプトンだが、体幹が強く、強いパンチを続けて打てるしスピードもありスタミナもある。当分安定政権を続けると思われる。


ゴンザレスはフランプトンより13cmも長いリーチを持っているのに宝の持ち腐れで、

だいたいクラウチングスタイルで頭を前に出して良さを殺している。

アップスタイルで距離をとり、早い左ジャブでフランプトンの出鼻を叩いて距離を測り、威力ある右ストレートを武器にすれば、今後大成するのにとみえる。


しかしその為には、今のひ弱な身体を鍛え直し、パンチのスピードをあげて、右ストレートとの切れもつけなければならない。

可惜(アタラ)恵まれた素材を埋もれさせては惜しい人材である。

L ヘビー級10回戦 ジャン・パスカル vs ユニエスキ・ゴンザレス                 2015年8月31日

会場 アメリカ ネバダ州 マンダレイベイ・ホテル&カジノイベント・センター

                                                                                   (2015年8月31日)

L ヘビー級10回戦 ジャン・パスカル (カナダ)32歳。

戦跡 34戦29勝17KO 3敗1分1無効試合、バーナード・ポプキンスに敗れタイトルを失って後、半年前にコバレフに挑戦したが8R TKOに完敗しており再起戦である。


対戦者 ユニエスキ・ゴンザレス(キューバ)30歳、

戦跡 16戦全勝12KO この試合に勝てばタイトル挑戦も見えてくる大事な試合である。


1R ゴンザレスは体力に任せて圧力をかけ前に出る、パンチは力強い。パスカルは

      スピードを生かして動き、早いパンチで対抗する.


2R パスカルはカウンターを狙うがゴンザレスの迫力におされる。


3R ゴンザレスの右ショートストレートにパスカルの膝が折れかかるがゴンザレスの

       力に対してその圧力に抗すべくパスカルも目一杯パンチを振う。


5~6R 両者負けずに激しく打ち合うが、このRまでやゝゴンザレスのペースである。


7R パスカルは相手のパンチ、動きをやっと読んだようで、スピードも増し的確な

   パンチをゴンザレスに送り込む、まともにパンチを食ったゴンザレスのスピード

      が急に落ちてきた。

8R スピードの差が歴然としてきてパスカルに落ち着きが出てきた。


9~10R ゴンザレス必死でパンチを振って前進するが有効打なく、手数は少ないが

      パスカルの正確なパンチが目に付く。最後は両者スタミナを消耗するが激しく

      打ち合う。


判定は3者とも96:94でパスカルにあがった。ゴンザレスは自分の勝利を確信してか思いがけない結果に厳つい顔を歪めて泣き崩れる。
ゴンザレスは全勝できたが、如何せんパンチにスピードと切れが無く、体力だけではこれ以上にはいかれないであろう。
パスカルは動きの速さ、パンチのスピード、カウンターの鋭さと流石と思わせたが、非力でこのパンチ力と技術では、コバレフの前には到底太刀打ちできない。


WBO Sミドル級タイトマッチ チャンピオン アルツール・アブラハム vs ロバート・ステーグリッツ     2015年8月31日

会場 ドイツ ゲリー・ウェバー・スタジアム  (2015年8月31日)

WBO Sミドル級タイトマッチル 

チャンピオン アルツール・アブラハム(ドイツ) 35歳、

戦跡 46戦42勝28KO 4敗。4敗はスーパー6の戦で闘いで、アンドレ・ウォード、カール・フロッチ、アンドレ・ディレルに敗け、あとはロバート・スティーグリッツである。スーパー6戦で輝きを失ったかにみえたアブラハムはその後何とか復活し現在に至っている。ニックネームは「キング・アーサー」


挑戦者はロバート・ステーグリッツ(ドイツ)

戦跡 52戦47勝27KO 4敗1分、2012年アブラハムが判定勝でタイトルを獲得。

その後2戦目は4R負傷による判定でスティーグリッツがTKOでタイトル奪回,

3戦目は2:1の判定でアブラハムがタイトルを奪回し、4度目の対戦である。


1R スティーグリッツは打ち勝たないと勝利はないと確信してか、ガードを固めて

      積極的に前に出、アブラハムをロープに詰めて攻勢をかける。アブラハムは例に

     よって両腕で顔面を完全にガード、防御に専心。


2R スティーグリッツは中間距離で闘うことを避け、接近戦で闘う作戦を選択、

      アブラハムの得意の距離を潰す考えである。


3R スティーグリッツは前半にペースを掴んで有利に試合を運び、主導権を握って

      後半に入りたい作戦のようだ。


4R スティーグリッツ飛び込むところにアブラハムの右ジャブのカウンターで不覚の

      ダウン。


5R スティーグリッツはダウンのマイナスを挽回すべく攻勢を強めるが、距離が出来

       たアブラハムの強力なパンチがスティーグリッツの顔面を襲う。ガードの上から

       でもダメージを与えているようだ。


6R アブラハムはこのR猛攻をかけ右フックでダメージの溜まっていたスティーグ

       リッツは崩れるようにダウン、コーナーはタオルを揚げてTKO。


2人の対決はこれで決着をみたようだ。アブラハムはミドル級時代全勝の耀きは失われたが、何とか踏みとどまっている。

L ヘビー級、WBA、IBF、WBO 統一団体タイトルマッチ  チャンピオン セルゲイ・コバレフ vs  ナジブ・モハメッテイ                   2015年8月31日

会場 アメリカ  ネバダ州 マンダレイベイ・ホテル&カジノイベント・センター                                                                                      2015年8月31日

L ヘビー級、WBA、IBF、WBO 統一団体タイトルマッチ。

チャンピオン セルゲイ・コバレフ (ロシア)32歳.

戦跡 28戦27勝24KO 1分、ニックネームは「クラッシャー」6度目の防衛戦である。


挑戦者 ナジブ・モハメッテイ(フランス)30歳、

戦跡 42戦39勝24KO 3敗、IBF 1位 現在13連勝中(内11KO)  


1R モハメッテイはコバレフの圧力に負けて腰は引けぎみ、コバレフは左ジャブを

       出して余裕の立ち上がり。


2R コバレフ ダウン(スリップと認定される)、プライドを傷つけられたがコバレフ

      は急に戦闘モードに入って右ストレートのクロスカウンターから追い込んで、

      連打でモハメッテイ ダウン。


3R モハメッテイは既に戦意喪失。コバレフの右ストレートから返しの左ストレートで

       2度目のダウン。そのまゝKOとされた。


1Rからモハメッテイはコバレフの圧力を感じてすっかり萎縮してしまい、日頃の力の50%も出なかったようで、あまりにも力の差がありすぎた。
明らかにミスマッチであるが、何せIBFの1位の選手であり、コバレフの強さのみが際立った試合であった。この選手に今のところ死角は見当たらない。


4団体統一をかけて、スーパーマン アドニス・スティーブンソン以外にコバレフに対抗する選手はいない。
現在のところ全階級を見渡しても群を抜く安定感である。

WBC インターナショナル ヘビー級タイトルマッチ チャンピオン アンソニー・ジョシュア vs ケビン・ジョンソン     2015年8月24日

会場ロンドン グリニッチ 02アリーナー                    (2015年8月24日)


WBC インターナショナル ヘビー級タイトルマッチ
チャンピオン アンソニー・ジョシュア(英)25歳、戦跡 12戦全勝12KO ロンドン五輪 Sヘビー級金メダリスト WBO 7位。


挑戦者 ケビン・ジョンソン(米)35歳。戦跡 36戦29勝14K O6敗1分

ニックネーム「Kingpin」(主役)


1R ジョシュアはジョンソンをロープに詰めて連打でダウンを奪い、その後も攻撃を

   めることなく2度目のダウンを奪う。ジョンソンは辛うじてゴングに救われる。


2R ジョンソン戦意を喪失、ロープに詰って連打を受けてレスリーストップ、初のKO

      を喫した。


ジョシュアは2014年には7試合をこなして、2015年はこれで5試合を行い、急ピッチで王座獲得を狙う。イギリス期待の金の卵である。


WBC ライト級 タイトルマッチ チャンピオン ホルヘ・リナレス vs ケビン・ミッチェル          2015年8月24日

会場 ロンドン グリニッチ 02アリーナー          (2015年8月24日)


WBCライト級タイトル・マッチ 
チャンピオン ホルへ・リナレス(日本)29歳。戦跡 41戦38勝25KO 3敗、ニックネームは「エルニーニョ・デ・オロ」ゴールデンボーイ


挑戦者 ケビン・ミッチェル(英)30歳。戦跡 41戦39勝29KO 2敗、ニックネームは「Hammer」、同級1位。


  1R リナレス圧力をかけて主導権を握る。


  2R リナレス、スピードにのって攻勢を続け、ミッチェルは手数が少なく・・


  3R ミッチェルは相手の早さに眩惑されてパンチが出ない。


  4R ミッチェル相手の打ち終わりを狙ってカウンターで対応。


  5R ミッチェル反撃に出てパンチを出し始めて右フックからの返しの左アッパーで

       リナレス ダウン、何とかこのラウンド持ちこたえる。


  6R ミッチェル左目の上切るが攻撃力は旺盛。威力ある左フック・アッパーを振う。


  7R リナレスのスピードが戻ってきて手数も多くなってきて・・


  8R ミッチェルの左目の上の傷大きくなり出血が激しくなる。


  9R 次第に距離が詰まってペースはミッチェルに傾く。


10R リナレス猛攻を仕掛けてミッチェルをロープに詰め、乱打。ミッチェル遂に

        ダウン。ダメージの大きさと、傷の深さを見たレフリーは試合をストップ。

        10R TKOでリナレス辛勝。


世界には様々な強いボクサーが居るものでミッチェルもその一人で、動きにも、パンチにもそれ程スピードがある訳ではないが、ガードが固く、早い相手に対抗する為に相手の打ち終りを狙う必殺の左フック・アッパーを武器に勝負を賭けてきた。


9Rまでリナレスに互角以上の戦いで、勝負師の面目躍如であった。リナレスは打たれ弱さは相変らずで、カウンターパンチャーとしては致命的な弱点である。


その為に絶えず頭を動かし、打ち終わったあとに身体の位置を変え、動く標的とすべく努力してきたことは充分に窺えたが、如何せん非力でパンチ力が無い為にカウンターを決める道に進む以外になく、体力とパンチ力があり接近戦を仕掛けてくる相手には、終盤捕まる危険性が大きい。


ゴールデンボーイの前途は楽観できないのだ。

Sバンタム級10回戦 チャンピオン ノニト・ドネア vs アントニー・セットウル           2015年8月24日

会場 中国 マカオベネチアン・リゾートコタイ・アリーナ 2015年8月24日


Sバンタム級10回戦 元5階級制覇チャンピオンノニト・ドネア(フィリピン)32歳

戦跡37戦34勝22KO 3敗、ニックネームはフィリピーノ・フラッシュ。


対戦者 アントニー・セットウル(フランス)28歳。


ドネアはニコラス・ウォーターにKO敗しタイトルを失って3月の再起戦に勝ったあと2戦目である。


1R ドネア軽い動きで左ジャブを中心として終了近く、右フックのボディーブロー強

  烈でセットウル ダウン、次いで左フックのボディブローでセットウル2度目のダ

  ウン。


2R 開始早々ドネアの右ストレートのカウンターでセットウル3度目のダウン。

  コーナーからタオルが投じられてTKO敗け。


ドネアは現在イングランドでクイッグと対戦の話が進んでいる。

Sバンタム級のトップ戦線はWBAスーパーとWBOにギジェルモ・リゴンドー、

WBAレギュラーにスコット・クイッグ、WBCにレオ・サンタクルス、IBFにカール・フランプトンと全勝の王者が並び、いずれも強者揃いである。


WBA Sバンタム級タイトルマッチ  チャンピオン スコット・クイッグ vs キコ・マルチネス     2015年8月24日

会場 イギリス  マンチェスター マンチェスター・アリーナー  2015年8月24日


WBA Sバンタム級タイトルマッチ チャンピオン スコット・クイッグ(英)26歳

戦跡32戦30勝22KO 2分、6度目の防衛戦。


挑戦者キコ・マルチネス(スペイン)29歳、戦跡37戦32勝24KO 5敗。前IBFバンタム級王者、ニックネームは「センセイション」。オッズは4:1でクイッグ


1R マルチネス前進し、左ジャブで左右フックを振って圧力をかけてクイッグをロー

  プに詰めて好調な立ち上る。クイッグはガードを固めて足を使い防衛主体に対応。


2R クイッグの強力な右アッパーから左右フックでマルチネス ダウン、立ち上った

  ところに左右フックで追いうちをかけて、マルチネス2度目のダウンでTKO勝ちと

  なる。


IBF  ウェルター級タイトルマッチ ケル・ブルック vs フランキー・ギャバン(2015年8月17日)

会場 イギリス ロンドン グリニッジ・02アリーナ(2015年8月17日)

IBFウェルター級タイトルマッチ


チャンピオン ケル・ブルック(イギリス)29才

戦跡 34戦全勝23KO ニックネームは「スペシャル・ワン」

ショーン・ポーターを破って戴冠 2度目の防衛戦


挑戦者フランキー・ギャバン(イギリス)29才 サウスポー

戦跡 23戦22勝13KO1敗 アマチュアで121戦して100勝している


1R ギャバン、やや上体を反らしてブルックの強打を警戒、お互いパンチの交換はない。


2R ブルック、右ストレート2発当てる。軽いパンチ。


3R ブルック、圧力を強めてギャバンをロープに詰める。


4R・5R ブルックの圧力に抗しかねてギャバン後退をつづけ、消極的な試合運びでブルックの主導権をもとに試合は進む。


6R ブルックの連打でギャバン、ロープダウンをとられ、そのままレフリーストップ。TKOでブルック圧勝。


ブルックはスピード、パンチ力ともにさして見るべきところは無いが、攻防は全体的にまとまっており、体かスタミナに優れているのが強みである。

この試合は実力の差がありすぎ、ミスマッチの感があった。

ギャバンは試合開始早々から呑まれていた。

このクラスはWBAスーパーにフロイド・メイウェザーが居り、WBAレギュラーにキース・サーマン、WBOにティモシー・ブラッドリーの各チャンピオンが控えており他にマニー・パッキャオ。アミール・カーン。ショーン・ポーター。アンドレ・ベルトと錚々たるメンバーが居て、ブルックが彼等と肩を並べて統一戦に割って入れるかを考えると厳しいのではないかと思わざるを得ない。

WBO ウェルター級暫定王者決定戦 ティモシー・ブラッドリー vs ジェシー・バルガス(2015年8月17日)

会場 カリフォルニア州 カーソンスタブハブ・センター

WBOウェルター級暫定王者決定戦

 

ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)31才

戦跡34戦31勝12KO1敗1無効試合

パッキャオに勝ってWBO王者獲得したが、パッキャオに再戦で敗けてタイトルを失う。元2階級制覇チャンピオン

ニックネームはデサートストーム(砂嵐)

ファン・マヌエル・マルケスや、ルスラン・プロポドニコフとも対戦勝利している歴戦の勇である。

対戦者 ジェシー・バルガス(米)26歳。 WBA Sライト級チャンピオン。 

アマチュアで140戦120勝の実績あり。


1R~11Rまでブラッドリーの左右パンチを振り回す迫力と手数の多さにバルガス主導権を握れないまま後手、後手となり、試合は一方的にブラッドリーのペースで進んだが、12R終了一方的に

IBF  ミドル級王座決定戦 ハッサン・ヌダム・ヌジカム vs   デビット・レミュー          (2015年8月10日)

会場 カナダ ケベック州 モントリオールベル・センター (2015年8月10日)

IBFミドル級王座決定戦。

 

ハッサン・ヌダム・ヌジカム(カメルーン)31歳、同級1位、戦跡32戦31勝18KO 1敗、元WBA、WBO王者であるが2014年10月全勝対決で、ピーター・クイリンと対戦、

6度のダウンを奪われた末に判定負けでタイトルを失っっている。 

 

対戦者 デビット・レミュー(カナダ)26歳、同級4位、戦跡35戦33勝31KO 2敗、

タイトル挑戦を賭けて対戦した対マルコ・アントニオ・ルビオ戦でKO負けしている。ニックネームはカナダのタイソン。

 

1R  レミュー、 左を出しながらヌジカムをロープに詰めて圧力をかける。

  レミューの迫力ある左右フックに対して、力で対抗すべくヌジカムもパンチを

  大きく振う。

 

2R ヌジカムは足を使ってレミューの突進を躱そうとするが、レミューの追い足鋭

  く、得意の左フック一閃、ヌジカム ダウン。やっと立ち上がったが、完全にグロ

  ッキーとなり何とかこのR持ち堪える。

 

3R レミューはKOを狙って力を込めてパンチを振うが当らず、ヌジカムは足を使って

  距離をとり、左ジャブで出鼻を叩いて回復を図る。

 

4R ヌジカムの動きが戻って、リズムが出てきて、パンチも流れるように出始め、

  主導権を握る。

 

5R ヌジカム、好調の出だしだったがKOを狙うレミューの左フックでヌジカム2度目

  のダウン。立ち上がったところにレミューの左フックで3度目のダウン。ヌジカム、

  ガードを固めて必死に防御したが、足はヨロヨロ。

 

6R  レミューの攻撃は依然として強力。ヌジカム再三ぐらつくが凌いだあと、驚異の

   反撃でレミューの勢いが一時止まる。

 

7R ヌジカムの動きが回復、軽やかにステップを踏み、リズミカルにパンチも出て立

  ちなおる。

 

8R レミューの左フックでヌジカム4度目のダウン。立ち上ったヌジカムは負けずに打

  ち返す。

 

9R レミューはここが決め時とみて、全力で左右を振ってヌジカムを追い込むが、

  ヌジカムは試合を諦めておらず反撃。

 

10R   レミュー圧力をかけ続けるが、スピードが落ちてきてヌジカムに余裕が生じ、

        流れはヌジカムに傾く。

 

11~12R ヌジカムにスピードが戻ってきてパンチの切れも出て、疲れてきたレミュ

  ーは追い込めなくなりヌジカム優勢のまま終了。

 

判定は 115:109が2人、114:110が1人でレミュー勝利で新チャンピオンとなる。

レミューの左フックの威力はまさに驚異的であったが、何より驚かされたのがヌジカムの回復力で、4度のダウンは何れも痛烈なもので立ち上っただけでも驚くのに、軽やかにステップを踏み、しかも打ち返して終盤は主導権を取り返したことである。

まさに驚異のボクサーでその不屈の精神力と併せて特筆ものであった。

 

尚、レミューの次の対戦者はゲンナディ・ゴロフキンである。
無敗のKOアーティストに対して、左フックのレミューのパンチが通用するか注目の一戦となるだろう。

NAB F北米ライト級タイトルマッチ  チャンピオン デイェリー・ジャン vs ジェリー・ベルモンテ  2015年8月10日 

会場 カナダ ケベック州 モントリオールベル・センター (2015年8月10日)

 

NAB F 北米 ライト級タイトルマッチ
チャンピオン ディエリー・ジャン(カナダ)33歳、戦跡29戦28勝20KO 1敗。

1敗はIBF Fライト級タイトルマッチに挑戦したがレイモンド・ピーターソンに判定敗けしている。

挑戦者は ジェリー・ベルモンテ(米)26歳、戦跡 25戦19勝5KO 5敗、世界戦に挑戦したがオマール・フィゲロアに敗れている。

 

1R ジャン、左ジャブを突いて、あと思い切りの良い力強いパンチを振う。

 

2R ジャンは力と体力で押す作戦のようで、大きな右フックでベルモンテ ダウン。

 

3R ベルモンテはテクニックでジャンの攻撃を止める作戦であったが、この回積極的

  に打って出てジャンの攻撃を止める。

 

4R ベルモンテ ダウンから立直ってきた。ジャンの手数が少なくなり出すパンチも

  当らない。
 
5R ジャン 4Rの反省から、手数を増やして攻撃に転ずる。

 

6~8R ベルモンテはジャンのパンチの勢いと体力に押されて劣勢を強いられ、PR

  にはジャンの一方的な試合となり、10Rそのまゝ終了。

 

判定は 99:90、99:89、98:91でジャンの圧勝であった。

ジャンの力強いパンチは魅力的ではあるが試合の組み立てに難があり,上を望むのは無理かもしれない。

ベルモンテは試合運びも、ディフェンスも巧みで実力者ではあるが、如何せん非力。

ウェルター級 12回戦 エイドリアン・ブローナー vs ショーン・ポーター              2015年8月3日

会場 ネバダ州ラスベガス・GMMグランドガーデンアリーナ (2015年8月3日)


ウェルター級12回戦 エイドリアン・ブローナー (米)25歳、元3階級王者 メイウェザーの後継者と宣伝される。

戦跡 32戦30勝22KO 1敗1無効試合、1敗は豪打のマルコス・マイダナに2度ダウンを喫した上の判定敗けしたもの、ニックネームは「プロブレン」

 

対戦者 ショーン・ポーター(米)27歳、前IBFウェルター級チャンピオン、戦跡 27戦25勝16KO 1敗1分、1敗はケル・ブルックに喫してタイトルを失ったもの。ニックネームは「ショー・タイム」。マニー・パッキャオのスパーリング・パートナーを勤めて名前を上げた。

 

1R ブローナーは例によってL字ガードで左を下げてやゝ上体をうしろに反らせて立ち

  上る。ブローナーのスピードを警戒してポーターは前進せず、機をみて左ジャブを

  突きながら突如として突進する。

 

2R ポーターは軽くステップを踏み絶えず上体を動かして、ブローナーのスピードに

  対抗でブローナーの主戦武器の左フックのカウンターに対してしっかりと対策を

  立てゝきたようだ。

 

3R ポーターは漫然と突進することをせずに、上体を動かして、機をみるや左ジャブ

  を連続して出しながら突進し、ブローナーに左フックを打たせず体勢を作らせない。

 

4R ブローナー ダウンするがパンチは当っておらず、足がかゝってのスリップダウン

  と認定される。

 

5R ポーターに主導権を握られたブローナーはペースを取り除くべく、前に出るが

  パンチは当らない。

 

6R ポーターは左ジャブが有効で依然としてペースを握っている。

 

7R ブローナーは試合が思うようにいかない事にいらだって、反則パンチ振う。

  試合はポーターの手数と体力に押されて、接近されるとクリンチを繰り返す。

 

8R ブローナーの鋭い左フック、右ストレートは的確であるが如何せん手数が少な

  く、ポーターに押し負けて懐に入られている。

 

9ー10R ポーターの優勢は変らず。

 

11R ブローナー ホールデングの反則で減点1。

 

12R ブローナー必殺の左フックがやっと当り、ポーター ダウン、その後はポーター

   の前進ブローナーも疲れて追い込めず終了。

 

判定は 114:112、115:111、118:108でポーターの勝利。

ポーターは単なる突貫ファイターでなく、充分に対ブローナー戦の戦術を練って、試合に臨んできていた。

攻撃する時は左ジャブを必ず連続して出し、出しながら接近、当れば右フックで追い込む。ジャブの速さと、踏み込みの早さによって、ブローナーの右ストレートのカウンターを受けない。自分のパンチを出したあとは必ず頭を下げるか、頭の位置を動かして標的となるのを避ける。

今までみたことのないステップを踏み、身体を絶えず動かして、動く標的とする中で、機をみて左ジャブを連続して出しながら接近し、接近したら何が何でもパンチを振う等、作戦通りの試合運びで頭脳戦に勝利した。

 

ブローナーは敗れたが左フック、右ストレート、右アッパーの威力は恐るべきものを秘めており、魅力充分なボクサーであり力の拮抗した、テクニックの高度な試合でボクシングの楽しさを堪能した。

ウェルター級 10回戦 エロール・スペンス  vs  フィル・ロ・グレコ                                                   2015年8月3日

会場 ネバダ州ラスベガス・GMMグランドガーデンアリーナ  (2015年8月3日)
ウェルター級10回戦 エロール・スペンス(米)25歳 サウスポー、戦跡16戦全勝13KO WBAウェルター級8位。
対戦者 フィル・ロ・グレコ(カナダ)30歳、戦跡27戦26勝14KO 1敗、この1敗はポーター戦である。


1R スペンスはアップスタイルで左右フック中心のグレコ攻撃を固いガードと右ジャブで防ぐ。


2R スペンスの左ストレートは真直ぐに出して左右フック、アッパーと多彩な攻撃でボディー中心に集中打。


3R スペンスの右フック テンプルに命中してグレコ ダウン、立ち上ったところへ集中打、一方的に攻撃を受けたところでレフリーストップ、KOに下した。


多少強引なところもあったが、力ずくで捻じ伏せた感じである。
ウェルター級戦線はメイウェザーを頂点に、キース・サーマン、ケル・ブルック、アンドレ・ベルトと各団体に強力な選手が居り、他にマニー・パッキャオ、エイドリアン・ブローナー、ショーン・ポーターと全階級の中でも最も充実した選手が揃っており、頭角を現すことは難しいが、この選手も次世代のチャンピオン候補であろう。


Sライト級10回戦 ロバート・イースター vs ミゲール・アンヘル・メンドーサ             2015年8月3日

会場 ネバダ州ラスベガス・GMMグランドガーデンアリーナ


Sライト級10回戦 ロバート・イースター(米)24歳、戦跡13戦全勝10KO。
対戦者ミゲール・アンヘル・メンドーサ(メキシコ)31歳、戦跡28戦21勝21KO 5敗1分
両者の体格をみるとイースターの身長180cm、リーチは193cmでメンドーサに比して、身長で12cmリーチで実に28cmの差がある。


1R イースターは前進するメンドーサにL字ガードで構え、左ジャブでこれを迎え打つ。Rの終りに左フックのボディブローでメンドーサ ダウン。


2R メンドーサは長期戦は不利と見て起死回生の接近戦を挑み、左右を振って前に出るところにイースターの右ショートアッパーでKOに下す。


イースターはスタイリッシュでパンチでも早く切れもあり、力強く、次世代のスター候補である、実力を世界に示した。


WBC ヘビー級 タイトルマッチ チャンピオン デオンチイ・ワイルダー vs エリック・モリナ     (2015年7月27日)                      

会場 アラバマ州 バーミンガム・バートウアリーナ   (2015年7月27日)

 

WBC ヘビー級タイトルマッチ チャンピオン デォンテイ・ワイルダー(米)29歳 

戦跡33戦全勝32KO。5ヶ月前にバーメイン・スティバーンに判定勝して、2007年シャノン・ブリックスが戴冠以来実にアメリカヘビー級は世界戦19連敗していたが7年半振り

にタイトル奪回した。

 

挑戦者はエリック・モリナ(米)33歳 戦跡25戦23勝17KO 2敗 ニックネームは

ドラマー・ボーイ

 

1R ワイルダーは一発必倒の構えで大きなスタンスをとる。モリナはワイルダーの

  32KOの総べたが4R以内であることを考えて、防御に徹して構える。

 

2R モリナの右フックが顔面、ボディに各一発づつ当るが、ワイルダーのダメージは

   殆どなし。


3R モリナの左フックでワイルダーぐらつくがモリナもそのあと攻めるが続かずに

  いる間にワイルダーは回復モリナは千載一遇のチャンスを逃す。

 

4R ワイルダーのいきなりの左フックでモリナ ダウン、返しの右ストレートが当って

  いればKO確実であったがゴングにモリナ救われる。

 

5R ワイルダー連打でモリナ2度目のダウン、立ち上がったところへ右ストレートの打

   落しでモリナ3度目のダウン。

 

6R モリナは主戦武器を右フックのボディブローと右アッパー、右フックと考えてき

  たようである。

 

7R ワイルダーのパンチはストレートからフックに変って振り回すようになる。

 

8R モリナ反撃に転じ、集中打もワイルダー予想外のガードの固さで完全に防御する。

 

9R モリナ劣勢を回復すべく前進するところへの右ショートストレート的中して、

   モリナ4度目のダウン。レフリーストップでワイルダー初防衛戦をKOで飾る。

 

このクラスはWBAスーパー 、IBF、WBOの3団体に君臨するウラジミール・クリチコ

39歳がいる。9年間に18度の防衛を果たしている。

WBAレギュラーにルスラン・チャガエフがいる。

 

尚WBC 1位にはアレキサンデル・ポペトキン30戦29勝21KO 1敗(1敗はクリチコ戦)。(アテネ五輪のスーパーヘビー級チャンピオン)

 

WBO 1位にタイソン・フューリー(英)26歳、24戦全勝18KO、206cmの巨漢。

 

WBC 2位にアンソニー・ジョシア(英)26歳、13戦全勝13KO、ロンドン五輪のスーパーヘビー級の金メダリスト等、有力選手が多く排出して、長く続いたクリチコ王国を覆す勢が見えてきている。

 

一番手ワイルダーも、単なる力だけの選手ではなく、駆け引きも防御も兼ね備えた選手であることがこの2戦で証明されたが、打たれ弱さもこの試合で垣間見せた。

今までと違い、実力者と対した時にどうなるか今後のお手並み拝見といこう。

IBF Sフェザー級 王座決定戦  ホセ・ペドロサ(同級1位) vs アンドレイ・クリモフ(同級6位)    2015年7月27日 

会場 アラバマ州 バーミンガム・バートウアリーナ  (2015年7月27日)

 

IBF Sフェザー級 王座決定戦 同級1位 ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)26歳、戦跡19戦全勝12KO 08年北京五輪出場 ニックネームはスナイパー。

 

挑戦者 同級6位 アンドレイ・クリモフ(ロシア)32歳。2013年テレンス・クロフォードに完敗、戦跡20戦19勝9KO 1敗。

 

 1R ペドラサ 左構えで始める。

 2R クリモフ前進するもペドラサの右ジャブで出鼻を叩かれ、更に左ボディブロー

      からの連打でペドラサ主導権を握る。

 

 3R クリモフ サウスポーを苦手としているらしくみえ、その上またペドラサの

      スピードについていかれない。

 

 4R クリモフはペドラサの速い動きを抑えるべく接近戦に活路を見出し、ボディ中心

       に攻めるがペドラサ早い動きで接近戦を許さない。

 

 5R ペドラサ一貫して左構えのまま、右ジャブでついでの左ストレートで主導権を渡

       さない。

 

 6R ペドラサこのRから右構えに変更し、ガードをしっかりと固めて、インファイト

       に転ずる。接近戦でアッパーを多用、手数が急速に増える。


 7R ペドラサ倒しにかかったか、攻撃は一段と強まり、間断なくパンチを繰り出し

       クリモフ一方的におされる。


 8R ペドラサは倒せないとみるや、再び左構えに変更、右を下げてジャブ主体に変更

       ク リモフ鼻血をだす。


 9ー10R ペドラサはKOを諦めたようにアウトボクシングに変更し、ポイント稼せぎに

           変更。
11R ペドラサ逃げ切りを図り足を使ってアウトボクシング。


12R クリモフ打たれ続けたことから顔面腫れ上がるが最後の力を振り絞って攻撃に出

        るが、パンチに威力がないまま終了。

 

判定119:109、120:108が2人でペドラサは初の戴冠。


しかしペドラサの左右にスイッチする意図も私には解らないし、肝心のパンチ力も物足りない。観客に対するアッピールにも乏しく魅力に欠けるボクサーとみえる。

 

このクラスはWBAスーパーチャンピオンに内山高志、WBCにボンバー三浦隆司、WBOにローマン・ゴンザレスが居るが内山や三浦にペドラサの今の力では対抗出来まい。

WBAフェザー級タイトルマッチ チャンピオン ニコラス・ウォータース vs ミゲール・マリアガ

会場 ニューヨーク州マディソン・スクエア・ガーデン   (2015年7月20日)

 

WBAフェザー級タイトルマッチ チャンピオン ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)29歳 戦跡25戦全勝21KO。


2014年6階級チャンピオン スーパースターのノニト・ドネアに6RTKO勝ち、一躍スターダムにのし上がった。
しかしこの試合、リミット1ポンド(450g)オーバーでタイトルを剥奪された為に勝ってもタイトルは失ったまま。ミゲール・マリアガが勝てばチャンピオンとなる。

ニックネームはマックスマン。

 

挑戦者はミゲール・マリアガ(コロンビア)28歳。

戦跡20戦全勝18KO ニックネームはスコーピオン(さそり)強打者同士の対戦である。

 1R ウォータース、左リードと左右ボディブローで優勢。
 

 3R 一進一退
 

 4R マリアガ 右ストレートが3発的中で有効。
 

 5R ウォータース 左右フック、アッパーを上・下に打ち分け主導権を握る。

 

 6ー7R ウォータースのボディブローの威力でマリアガの攻撃中が弱まる。
 

  8R ウォータースの攻撃のテンポが早まり、一方的な防御に追い込まれたマリアガは

 ダ ウン寸前。
 

  9R ウォータース 右ストレートのカウンターでマリアガ ダウン。

 

10-11R ウォータース勝利を確信して力を抜いて闘う。

 

12R ウォータースのボディブローのうちに終了。

 

判定118:109、117:110、119:108でウォータース勝利、やはり強かった。

マリアガも90%のKO率を納得させる力強さをみせて健闘したが相手が強すぎた。
この試合の次ウォータースはロマチェンコとの統一戦の予定であったが、これでこの話は無くなった。

 

現在のフェザー級トップ戦線
 WBAは ヘスス・アンドレ・クェジャル
 WBOは ワシル・ロマチェンコ
 WBCは ゲーリー・ラッセル
 
 WBC Sバンタム級のレオ・サンタ・クルスの参戦も見込まれている。 

WBO中南米ライト級タイトルマッチ チャンピオン フェリックス・ベルデホ vs イバン・ナヘラ     2015年7月20日

会場 ニューヨーク州マディソン・スクエア・ガーデン (2015年7月20日)

 

WBO中南米ライト級タイトルマッチ  チャンピオン フェリックス・ベルデホ

 ( プエルトリコ)22歳。
戦跡17戦全勝13KO トップランク社所属のホープである。ニックネームはギヤマンテ(ダイアモンド)。
対戦者イバン・ナヘラ(米)22歳。戦跡16戦全勝8KO。

 

  1R ベルデホはガードを高く掲げて慎重に立ち上がる。ナヘラは試合の主導権を握る べく、先制攻撃をかけるがベルデホ総てガードで防御し、左リードパンチは鋭く的確。

 

  2R ナヘラ攻勢をとりプレッシャーを掛けるがベルデホのガードに阻まれて有効とならず、ベルデホはガードした腕ですぐ反撃を打って攻撃で空いた顔面にパンチを打ち込む。

 

  3R ベルデホは常に自分の距離を保ちつ打ち終えると自分の位置を変え、頭を絶えず動かし、ボクシングの教科書のようだ。

 

  4R ナヘラ攻勢に出るがベルデホの顔面、ボディへの強烈なパンチを打ち分け、ナヘラダウン寸前に追い込まれる。

 

  5R 左ボディブロー強烈ついでの左アッパーカットでナヘラ ダウンその後猛攻。

 

  7R 試合は一方的となるがナヘラも粘り強く健闘するが、左フックに合わせたベルデホの左フックのカウンターでナヘラ2度目のダウン。

 

  8R ナヘラ ダウン寸前に追い込まれる。

 

10R ベルデホ力強いパンチを振って一方的なうちに終了。左コブシを痛めたようで左パンチは出さなくなる。

 

判定は100:88が2人、99:89が1人でベルデホ完勝。パンチは鋭く力強い。

防御も完璧でスタイリッシュで、魅力的な選手が出てきた。

2016年にはタイトルを握ることであろう。

ウェルター級12回戦 ノンタイトル アミール・カーン vs クリス・アルジェリ

会場 ニューヨーク州ブルックリン・バークレイズセンター

 

アミール・カーン イギリス 28才

戦跡33戦30勝19KO3敗 ニックネームはキング・カーン

元WBA IBF Sライト級チャンピオン

経歴の前半にコロンビアの選手に1RKOに敗れたあと、そのスピードを生かして連戦連勝2団体のタイトルを獲得し、スーパースターへの道を驀進したが実力者レイモンド・ピーターソンに判定負け、次いでダニー・ガルシアに衝撃的KO負けを喫しスーパースター路線から脱落、復活を賭けた一戦である。

 

対戦者 クリス・アルジェリ(米)31才

戦跡21戦20勝8KO1敗 1敗は』マニー・パッキャオに完敗したものである。

 

1R ライト級から上ってきたカーンに比して一回り大きいアルジェリは従来の斗うスタイルを一変して相手にプレッシャーをかける作戦に転じた。カーンはスピードを生かして軽いパンチを振るうが、圧力に押される。終盤アルジェリの右ストレートでカーンぐらつく。

 

2R カーンのパンチは退きながら打つ為に威力は全くなく、プレッシャーをかけられている。

 

3R アルジェリはカーンの距離を潰して接近戦に持ち込む。アルジェリの右フック・ストレートは威力がありカーンにとっては恐怖となっている。

 

4R アルジェリは一貫して接近戦を仕掛け体力勝負に持ち込む作戦。

 

5R カーンはサークリングしながらも手数は多いが有効打はアルジェリ。

 

6~8R 試合の推移は変わらない

 

9R アルジェリは従来の戦い方から変更した為に常に体力を使ったことからスピードが落ち始めてカーンとの距離が生れカーンのパンチが当り始める。

 

10R カーンの主導権が始めて明白となりアルジェリ追い込めない。

 

11R アルジェリの右フックが当るが威力が半減しており決定打とならない。

 

12R カーンは勝利を確信してサークリングし逃げ切りを回る。

 

判定115:113、117:111が2人でカーン勝利

カーンはフロイト・メイウェザーの次戦の有力候補となったがウェルター級では体格的に劣り、今のパンチ力では対向出来ない。打たれ弱さも克服出来ておらず、ひ弱な感じが否めない。手数は多いが手打ちで相手にダメージを与えるにはほど遠くボクサーとしての魅力に乏しいといわざるを得ない。

一方アルジェリは従来の足を使って打っては離れる、ヒット・アンド・アウェーの戦法から体力を活かして接近戦を挑む戦法に転じてパンチ力も増し、今後が楽しめる選手になりそうで期待が持てる。

 

WBA Sフェザー級レギュラータイトルマッチ ブライアン・バスケス VS ハビエル・フォルトゥナ

会場 ニューヨーク州ブルックリン・バークレイズセンター

WBA Sフェザー級レギュラータイトルマッチ(2015年7月13日)

 

10度防衛した内山高志がスーパーチャンピオンに格上された為に、レギュラーチャンピオンの座が空位となり今回のタイトルマッチとなった。

 

ブライアン・バスケス(コスタリカ)27才

戦跡35戦34勝18KO1敗 1敗は対内山戦である 同級2位

 

対戦者 ハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ)25才

戦跡29戦27勝20KO1分1無効試合

元WBA暫定フェザー級王者 同級3位 サウスポー

 

1R バスケス、フォルトゥナ共に左、右を下げて構える。バスケス中懐に入って打ち合う作戦。フォルトゥナ打ち合いに応じる。

 

2R フォルトゥナ右を下げ左はしっかりと顎にあててバスケスの右に対応、左ストレートが武器のようだ。

 

3R バスケス、フォルトゥナ共にウェイトオーバーでタイトルをはく奪された経歴をもっている。バスケス中に入ることに成功。打ち合いに持ち込む。

 

4R フォルトゥナは長いリーチを持ちながら接近戦に応ずる。

 

5R フォルトゥナ主導権を握って攻勢。

 

6R お互いに接近戦で打ち合い消耗戦となってくる。

 

7R バスケス、プレッシャーをかけてフォルトゥナをロープに追い込む。フォルトゥナはこのR、休んで手数も減るが終盤猛反撃。

 

8R フォルトゥナ一転して攻撃に出るが、パンチはオープンぎみ。

 

9~10R お互いに有効打なく一進一退

 

11R フォルトゥナ、バスケスをロープに詰めて乱打するが有効打は少ない。

 

12R フォルトゥナ勝利を確信してサークリングして逃げ込みを図る。

 

判定116:112、117:111が2人でフォルトゥナは2階級制覇に成功。

フォルトゥナは長いリーチを持ちながら右ジャブ少なく、左はストレートが有効なのにフックを振り回す為に威力がない前途は多難。

L・ヘビー級12回戦 フリオ・セザール ・チャベスJR vs アンドレイ・フォンファラ         (2015年6月29日) 

会場 カリフォルニア州カーソンスタブハブ・センター。   (2015年6月29日)
L・ヘビー級12回戦(175ポンド)のうち175ポンド契約。


フリオ・セザール・チャベス J R(メキシコ)29歳。戦跡51戦48勝32KO 1敗1無効試合。
セルシオ・マルチネスに初の1敗でWBCミドル級の王座陥落しての復帰戦である。

父のチャベスはメキシコの英雄で108勝6敗2分の戦跡を残している。

 

対戦者アンドレイ・フォンファラ(ポーランド)27歳。戦跡30戦26勝15KO 3敗1無効試合。2014年8月WBC L・ヘビー級に挑戦。アドニス・スティーブンソンからダウンを奪ったが判定負けしたが強豪である。

 

1R 開始早々からお互いに打ち合う。フォンファラは左ジャブ、右ストレート、チャ    ベ スは左右フック。

 

2R チャベス攻勢、フォンファラは迎え打つ右ストレート。

 

3R チャベス前進して、左右フック、左フックのボディブローで攻める。フォンファラは右ストレートが有効。

 

4R~6R チャベス、左右フックを振って攻め込むが的中率悪く、フォンファラの右カウンターのストレートが有効。

 

7R フォンファラはチャベスの接近戦を嫌って肩を使ったパンチで減点1。

チャベスは例の通り、体力とパンチ力で相手に圧力を掛け押し込もうとするが、体格差があり、チャ ベスのパンチ力では相手にダメージを与えられない。

 

9R チャベスが前に出るところへフォンファラの左フックがコメカミにヒットで疲れてきていたチャベスはダウン。

 

9R終了時でチャベス ギブ・アップ。KOで敗れた。

 

今迄は、体格差でチャベスが有利であった為、攻撃力が防御の役割を果たしていたが,

今回は相手の方が大きく、今の攻撃力では対抗出来なかった。

 

攻撃、防御ともに再考しなければ今後はない。攻撃については左ジャブ、左右ストレートを身につけなければ、パンチ力があるストレートパンチャーの餌食になってしまう。

 

また正面から攻撃を続けるのも考えもの。上体を揺すって相手の攻撃を躱す策も必要で、体力負けに対抗しなければならない。スピード不足もみられ、これでは今後、復活するのは難しいと云わざるを得ない。

 

彼は元々ミドル級の体格でL・ヘビー級と7kgの差があり、体重を絞ってミドル級で闘うのが妥当ではないだろうか。


WBC米大陸 S・フライ級タイトルマッチ チャンピオン アミール・イマム vs  ウォルター・カスティージョ              (2015年6月29日)

会場 カリフォルニア州カーソンスタブハブ・センター。   (2015年6月29日)

WBC米大陸S・ライト級タイトルマッチ。

 

チャンピオン アミール・イマム(米)24歳、戦跡16戦全勝14KO、ニックネームはヤング・マスター。
挑戦者ウォルター・カスティージョ(ニカラグア)26歳、戦跡27戦25勝18KO 2敗。

 

1R カスティージョは接近戦を狙って前進、イマムは左を下げて、フリッカー気味のジャブを多用して対応する。

 

2R カスティージョはイマムの足の速さと、鋭い左ジャブを止めるべくボディー中心に攻める。

 

3R カスティージョ攻勢だがイマム左に廻りながら左ジャブが的確、的中率はイマム。

 

4R カスティージョは前進してパンチを振うが殆ど当たらず、出鼻を叩かれる。

 

5R イマムの左ジャブ鋭く、カスティージョ右目カット。

 

6R カスティージョは負傷したことから勝負を急ぎ攻勢を強め、再三イマムをロープぷに詰めて連打するが的中率悪く、イマムの右ショートパンチの餌食となる。

 


7R 足を使っていたイマムは一転して集中打、カスティージョのスピードは落ち大勢はイマム。


8R~10R イマムの攻勢は一方的となり、カスティージョは打たれ続け、ダウン寸前のうちに終了。


判定は99:91、100:90、98:92でイマム圧勝。イマムはやゝ線が細いがボクシングセンスは抜群でこれに攻撃力が加われば、このクラスで頭角を現す可能性もあるが、

何せ強豪揃いのクラスの為にハードルは高い。


WBO  S-ライト級王座決定戦 テレンス・クロフォード  vs トーマス・デュロルメ         (2015年6月22日)

会場 テキサス州アーリントン・テキサス大学   (2015年6月22日)


WBO Sーライト級王座決定戦 テレンス・クロフォード(米)27歳、戦跡25戦全勝17KO、前WBOライト級チャンピオン、ニックネームはハンター。

スーパースター候補の一番手に挙げられている選手である。
対戦者 トーマス・デュロルメ(プエルトリコ)25歳。戦跡23戦22勝24KO 1敗。 

同級5位。
1R デュロルメ早い左ジャブと右フックで先制攻撃をかける。クロフォードはまず相手の出方を窺う。
2R クロフォードは相手の打ち終りを狙う。
3R ラウンドの中間、両者激しく打ち合うがあとはお互いに牽制し合う。
4R クロフォード、ラウンドの後半、相手を追い込んで連打。
5R クロフォード相変わらず相手のパンチに合わせてのカウンター狙いのようで積極的でない。
6R クロフォード、左ジャブからの長い右ストレートでデュロルメ、ダウン立ち上がったところへロープに詰めて狙い打ちの2度目のダウン。

集中打で3度目のダウンを奪ってTKOにし止めた。

 

クロフォードはこれで2階級制覇。 

S-ライト級ノン級タイトル  ルーカス・マティセ vs ルスラン・プロポドニコフ         (2015年6月22日)

会場 ニューヨーク州ベローナ ターニング・ストーン・リゾート&カジノ。                                                                                      (2015年6月22日)

Sーライト級ノン級タイトル。  
ルーカス・マティセ(アルゼンチン)32歳、戦跡40戦36勝34KO 1無効試合。

ニックネームはマシーン。
対戦者 ルスラン・プロポドニコフ、戦跡27戦24勝17KO 3敗 31歳。

ニックネームはシベリアン・ロッキー。

 

マティセはガルシアに僅差の判定敗けでタイトルを失ったが85%のKO率を誇るこのクラスの雄であり、一方のプロポドニコフはクリス・アルジェリに疑惑の判定負けを喫してタイトルを失っているが無尽蔵のスタミナと、いくら打たれても、前進を止めない桁外れのファイティング・スピリットと体力を有する恐るべきタフガイで誰をも恐れさせる驚異のボクサーである。

 

1R プロポドニコフは例によって前進マティセは試合前の発言通り、正面衝突を避けて、左ジャブを突き、右ストレート、左右フックを的確に決めて、発進。

 

 2R マティセは左ジャブ、左右フック、ストレート、プロポドニコフが頭を下げて出

       て くるところへ右アッパーと多彩な攻撃、パンチの力は12R闘うことを予測し

       て、   セーブ・テクニックを駆使して闘う方針のようである。プロポドニコフ左

       目上を切る。

 3R マティセのパンチはコンパクトで殆ど的中するが、プロポドニコフは前進を止め

       ない。

 4R プロポドニコフのパンチ当たり始め、マティセ後退。

 5R マティセ、プロポドニコフの前進を止めるべく、力を入れてパンチを振るう。

 6R マティセ、倒しにかゝり力の籠ったパンチを数多く振るうが、プロポドニコフ、

       打たれても退らない。

 7R マティセ、打っては離れ、接近するとクリンチで自在のボクシングで完全に試合

   を支配する。

 8R マティセの手数は相変らずだが、プロポドニコフに押され始める。

 9R プロポドニコフのパンチが当り始める。

10R  マティセの手数もパンチの正確さも変らないが、力強さは少しづつ失われて

    いき、プロポドニコフのペースとなっていく。

11R  プロポドニコフの右アッパー、左フックでマティセぐらつき、ダウン寸前となり

       大逆転の空気が漂い始める。

12R マティセ、打ち合いを打っては離れ、あとはクリンチで辛くも逃げ切った。

 

判定は114:114、115:113が2人でマティセ辛勝。

このクラスにはダニー・ガルシア、アミール・カーン、クリス・アルジェリ、マイク・アルバラード、レイモンド・ピーターソン、ブランドン・リオス、テレンス・クロフォードも居り、激戦区であるが、この2人もその中で存在感を力強く示した。

 

戦跡にみられる様に、マティセは攻撃型のファイターとみられているが、この試合にみられるように、高度なテクニックを有し、自在にボクシングをくみたてる万能型の選手であり、パンチは体の回転を使って打つ為に、連打しても体がぶれない。

 

一発一発に必倒の威力を秘めており、全階級を通じても指折りの強打者であるが、プロポドニコフを危険な相手とみて、12R闘うようになると、目込んで戦略をたて、力をセーブして、左ジャブを起点とした、左右フック、アッパーで相手を止め、機を見て倒すチャンスがあれば倒す。

 

出来ない場合はポイントアウトするとの戦術をとった結果的にこれが奏功して勝利したが、誤算はプロポドニコフの打たれ強さと前に出る圧力、パンチの強さが予想を超えたものであった事による。しかし自分の力を過信する事なしに、マティセは対応能力を遺憾なく示した。

 

一方プロポドニコフは戦略は唯一つ相手が打ち疲れてスタミナをなくすまで前進し、相手を打ちのめすことに徹する。

ストレートは額で受け止め、あとは打たれても止むを得ないとして、相手の打ち続けるスタミナと、自分の打たれるスタミナの闘いである。

 

マティセの桁外れのパンチを受け止めた事は驚嘆する以外にない。規格はずれのまことに魅力溢れる選手である。

 

ロシアにはテクニック重視のオーソドックスな選手が多いが、こんな選手がいるのに驚かされる。

WBC L・フライ級タイトル・マッチ チャンピオン ペドロ・ゲバラ vs リチャード・クラベラス (2015年6月15日)

会場 メキシコ マザトラン・セントロデ・ウソス・ムルテレプレス

                          (2015年6月15日)

WBC L・フライ級タイトルマッチ。

チャンピオン ペドロ・ゲバラ(メキシコ)25歳。戦跡26戦24勝16KO 1敗1分、八重樫と空位のタイトルを争い7R KOで王座につく。
挑戦者リチャード・クラベラス(フィリピン)25歳。戦跡14戦12勝KO 2分。

 

クラベラス前進し自慢の強打を振るうがゲバラ、リカルド・ロペスばりの高いガードとボクシングスタイルで抵抗、機をみて右ストレート打ち下しに次いでの左アッパーボディに命中し、ゲバラたまらずダウン、そのままTKOとなった。
ゲバラは今後楽しみな選手である。

WBC S・フライ級タイトル・マッチ チャンピオンカルロス・クアドラス vs ルイス・コンセプション 2015年6月15日

会場 メキシコ メテベック・ウニタッド・ボデルティパ・マルティン・アラルコン。 

                           (2015年6月15日)

WBC S・フライ級タイトルマッチ チャンピオン カルロス・クアドラス(メキシコ)26歳、戦跡32戦31勝25KO 1分、ニックネームはPRINCIPE(王子)、3度目の防衛戦。

挑戦者 ルイス・コンセプション(パナマ)29歳、
戦跡35戦32勝23KO 3敗 元WBAフライ級チャンピオン 同級1位。


1R コンセプションは左右フックを振って前進、クアドラス、左ジャブと右ストレートで足を使い中に入れない。

2R コンセプションは力勝負、打ち合いに持ち込みたいが、クアドラスいつもと変って足を使い、ガードを固めて左ジャブで対抗。

3R コンセプション、ボディ打ちを中心に攻撃。右アッパー有効打。

4R クアドラス、ジャブを数多く出し、足を使って相手の突進を躱し機をみて、集中打で反撃。

5R クアドラス一転して左ジャブ、右ストレート、左右フック、アッパーと多彩な集中打をみせて、あとは互いに打ち合い、互角。

6R コンセプション、自分の思い通りのボクシングが出来ずに、一発強打勝負に傾いていく。

7R コンセプションのパンチが大きいのとスピードが鈍ってきたのをみて、クアドラスのパンチが的確にヒット。

8R クアドラスの集中打により大勢はクアドラスに大きく傾く。

9R コンセプション7~8Rと打ち負けていたところ劣勢挽回を図って、攻撃に転ずるが打たれたダメージが大きく続かない。

10R~12R クアドラス優位のまゝ終了。


判定は117:111が2人、118:110でクアドラスの圧勝となった。  
両者の違いはまずクアドラスに左ジャブが多く出ること、ついでパンチがコンパクトで多彩であること、更に相手によってスタイルを変えて闘えることが挙げられる。


WBCミドル級王座の初防衛戦 チャンピオン ミゲール・コット vs ダニエル・ギール (2015年6月15日)

会場 ニューヨーク州 ブルックリン・バークレイズセンター。(2015年6月15日)

 

4階級制覇チャンピオン ミゲール・コット(プエルトリコ)34歳。

戦跡43戦39勝32KO 4敗、内世界戦が22戦闘っている。2013年6月驚異の男セルシオ・マルチネスから3度のダウンを奪って10R TKOに下し、WBCミドル級王座についての初防衛戦である。

4敗の内訳はアントニオ・マルガリート、マニー・パッキャオ共にKO敗。フロイド・メイウェザー、オースチン・トラウト共に判定敗。
対戦者ダニエル・ギール(オーストラリア)34歳。戦跡34戦31勝16KO 3敗。

元WBA、IBFミドル級チャンピオン、157ポンド契約体重である。

 

1R コットの左ボディブロー3発ヒット、左ジャブも出て、体も軽く動きも速く調子は上々の立ち上がりである。

2R ギールはコットの左フックを警戒し、いつもより手数が少ない。

3R ギール攻勢に出るがコット、ガードを固め、時に足を使ってこれを許さない。

ギールは得意の左ジャブからの長いストレートからの連打が打てずにコットに押される。

4R ギールの右フックに合せたコットの左フックのカウンターでギール、ダウン立ち上がったところにコット集中打、打ち合いの中、右ショートフックでギール2度目のダウン。ギールは勝負を諦めてTKOとなる。

 

コットはオースティン・トラウトに敗れて、これで終りかと関係者からもファンからも思われたが敗北後に、コーチにフレディ・ローチを迎えて、立ち直ったようである。

ローチは長くパッキャオのコーチを勤めていたのは有名である。

これでコットはサウル・アルバレス、ゲンナデイ・ゴロフキン両者から対戦を名指しされ、よりスーパーファイトの現実味が帯びてきた。 

WBO S・フェザー級タイトルマッチ チャンピオン オルランド・サリド vs ローマン・マルチネス  2015年6月1日

会場 プエルトリコ サンファン・ホセ・ミゲル・アグレット・コロシアム.

WBO S・フェザー級タイトル・マッチ。チャンピオン オルランド・サリド(メキシコ)34歳、戦跡57戦42勝29KO 12敗2分1無効試合。

挑戦者ローマン・マルチネス(プエルトリコ)32歳、戦跡32戦28勝17KO 2敗2分、ニックネームはロッキー、

2013年11月にミゲール・ガルシアに8R 8KOに敗れてWBOタイトルを失っており、3度目の王者奪還を目指す。


1R マルチネス、サリドの前進を距離をとって、左ジャブを突き応戦。

2R サリド、接近戦を狙って前進、マルチネス一転して真っ向から打ち合う。

3R マルチネス左ジャブからの右ストレートでサリド ダウン。

4R サリド劣勢を取り返すべく左右を振って頭を下げ接近戦となる。ペースはサリド。

5R サリドのぺースが続くが、突然のマルチネスの右ストレートの打ち下しがヒット、サリド2度目のダウン。

6~12Rはサリドが頭を低くして左右フック、アッパーで接近戦を挑み、マルチネスは距離をとってこれを往なし、ラウンドの後半に攻撃を集中するパターンが続き、終了。


判定は114:111、115:110、116:109でマルチネスの勝利となった。数は少ないがパンチの精度が、効果もマルチネスに高く、サリドの接近戦も2度のダウンで成功せず、不屈の闘志で最後まで頑張ったがタイトルを失う。

2011年4月、当時30戦全勝28KOのプエルトリコの英雄ファン・マヌエル・ロペスを戦前のオッズ12:1のところ大番狂わせで8R KOに下し、再戦でも10R KOに下し、一躍スターダムにのし上がった遅咲きの雑草魂のボクサーで人気も高かった。

最近の試合はダウンすることが多く、勝っても苦しい場合が多々あった。今回の試合も、あのエネルギーと力強さにかげりが見られた。

3団体ヘビー級タイトルマッチ チャンピオン ウラジミール・クリチコ vs ブライアント・ジェニングス (2015年6月1日)

会場 アメリカ、ニューヨーク マディソン・スクェア・ガーデン (2015年6月1日)


3団体ヘビー級タイトルマッチ。チャンピオン ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)39歳。戦跡66戦63勝53KO 3敗。チャンピオンとして9年間在位、ニックネームはスティール・ハンマー。通算11年間負けなし。アトランタ五輪のS・ヘビー級金メダリストでもあり、兄のビタリもチャンピオンに長く君臨し、兄弟でヘビー級4団体も独占していた。挑戦者ブライアント・ジェニングス(米)30歳、IBF、WBO4位戦跡19戦全勝0KO、ニックネームはバイバイ。


1R~12Rまでクリチコ距離を詰め左ジャブを効果的に出し、常に相手をロープに詰めて攻撃を許さず、ジェニングスは足の速さと防御の巧みさで、クリチコの決定打を避けて、終始したが、一発のパンチも当てることなく終了。


判定は116:111が2人、118:109が1人でクリチコ完勝。

クリチコの強さは絶対に危険を冒さない。どんな展開になっても常に計算、冷静さを失わない。無理をして攻撃を行わない。自分の距離で闘う等、頭の良さがつくづくみえる戦法である。パンチは早く、長い左ジャブで相手をコントロール、チャンスとみるや大砲のような右ストレートがとんでくる。一発必倒の力強さで、体力を使うフック、アッパーなどは殆ど使わない。


もうすぐ40歳であるが、そのスピード、体力、持続力はいささかも衰えを見せておらず、18回目の防衛を果たした。

あとはモチベーションをどれだけ保つことが出来るかにかかっている。


因みにリング・マガジン社選定のパウンド・フォーパウンド(全階級を並べてのNo.1)

 1位 フロイド・メイウェザー

 2位 ローマン・ゴンザレス

 3位 ウラディミール・クリチコ

 4位 ゲンナディ・ゴロフキン

 5位 ギジュルモ・リゴンドー

 6位 マニー・パッキャオ 

 7位 カール・フロッチ

 8位 セルゲイ・コバレフ

 9位 テレンス・クロフォード

 10位 山中慎介         となっている。