秀山祭9月大歌舞伎みる

演目1は鬼一法眼三略巻(菊畑)

かつて源氏に仕えて今は平家についている鬼一法眼と幼い時に離れ離れに育った弟、智恵内は身分を隠して兄の家に奉公し、敵方に仕える兄の真意を探っている。

牛若丸も又奴に身をやつして奉公し、鬼一の秘蔵の虎の巻を手に入れようとしている。

満開の菊畑を背景とした華やかな一幕である。田宮伊衛門のような悪役は無理でも染五郎の牛若丸は嵌り役とみた。

 

演目2は隅田川の続俤(法界坊)

永楽屋の手代要助は京の公家吉田家の嫡男若松で、重宝「鯉魚の一軸」を紛失した為に没落。

その再興を目指して桟会を窺っていたが没落させた張本人の手先となって要助を陥れようとする色と欲に溺れる破壊僧。法界坊を吉衛門が軽妙に芸達者にいかにも楽しげに演じている。

歌舞伎界の内幕や時の話題を巧みに取り込んで客を飽きさせない。

仁左衛門の道具屋甚三は、男の魅力十分で惚れぼれさせられた。